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知者不言、言者不知(村上悠悠)

第34回 消したい

人それぞれ消したい過去というのは
少なからずあると思いますが、
私の場合はそれが
インターネットを開くと
出てきてしまうのです。

私はハローワークで申し込む研修をいろいろ受講しました。
パソコンのヘルプデスクの養成するような研修も受けました。
簡単なプログラムの研修も受けました。
その後、それを活用するような機会がありました。
東京都が都立高校のホームページを作成する推進企画を持ったのです。
これは、派遣された人が作成するのではなく
その高校に勤務する教師が作成するのを補助する、という仕事でした。

応募しました。

採用されました。

これには、私の年齢も関係あったと思います。
すでに40代だったので、
高齢者というか、就職が困難な範疇の人たちには
より助成してやらないといけないということが、
お役人の方の意識にあって、
年齢が上のほうの人たちの失業率を減らさないといけない。
とりあえず数字を変えたい、のです。

だから、採用。

お給料は多分、都の方からの助成金のようなものが派遣会社に支給され
それが採用者に廻ってくるような仕組みだったんではないでしょうか。

ともかく、丸っきりの文系オバさんがヘルプデスクをするという
とんでもない10ヶ月が始まってしまったのです。
(一応、情報関連の資格も持ってはいるのですが。)

で、ホームページを作成する、ということで
実際、作成することになってしまったのは
物理の男性教師でした。
とても性格の良いオジさまでしたが
年齢は、40代後半だったろうと思います。
普通にアプリケーションは使ってるけど
ホームページは作成したことが無い。
パソコンの知識もそれほど無い。

結局、ほんとに基本的な形のホームページになりました。
実は、その高校は知る人ぞ知る名門校らしいです。
だから、私は、「これではあんまりだ」と
卒業生たちが言って
すぐに、もっと素敵なページに
変えてくれるものと思ってました。

ところが1年経っても2年経っても
変わらず使われています。
あれから、7年か8年が過ぎているのではないでしょうか。
先日も恐る恐る開いてみると
現在も変わらず使われています。

きっと一番基本的な形で作ってあるので、
どんな機械オンチの先生でも気楽に安心して使えるので変えないのでしょう。
素敵なデザインのページにすると
更新はデジタルに強い先生に頼む形になってしまって
いろいろと負担が生じるし
先生というのは転任もよくあるので、
頼りにしていた先生が転任してしまうと大変だからです。

あ~あ、というような顛末ですが
でも、使い易くて馴染んでいるのなら
それもまたいいか、とも思います。

2009/01/30