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知者不言、言者不知(村上悠悠)

第29回 浮世絵

先月、江戸東京博物館で
ボストン美術館浮世絵名品展をやっていました。
1年かけて、日本各地を廻った展覧会なので
ご覧になった方も多いと思います。

何よりも鮮やかな色に驚きましたね。
今まで見ていた浮世絵はなんだったんだろう?
と思うほど、色が綺麗でした。

詩箋などの中国版画が浮世絵のルーツのようです。
そちらの方は浮世絵ほど世界中に知れ渡ってはいません。
詩箋などは描かれている詩がわかっていないと絵の意味もわかりません。
つまり基礎知識が必要です。

しかし日本の浮世絵は
各地の名所であったり
有名な役者の姿絵であったり、
目に見えたままを眺めるものです。
難しい基礎教養は何も必要ありません。
だから大衆に受け入れられました。

木版多色摺り技術はより高度になっていき
浮世絵はヨーロッパの画家たちにも影響を与えました。

この技術は現在も伝えられています。
目白駅近くのアダチ版画研究所で
浮世絵版画摺り実演が見学できます。
私もビデオでしか見たことがないので
いつか行ってみたいと思っています。

2008/12/25