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宝船 巨龍にかける 夢無限大(森綾子)

第2回 気がつけば中国株デパート

2002年秋、私は恐る恐る中国株を買い始めました。

よく昭和30年ころ、ソニーを1000株買っておけば、
今頃、何十億万長者になっていたといいます。
そこで、私は未来のソニーさがしをはじめたのです。

当時の私の思考回路は、至極単純でした。
例えばこんな風に。
「未来のホンダやトヨタは、デンウェイ?」
「13億が家を持つ。不動産株は有望だ」
「家電製品が普及する。電力消費は莫大だ」

日本がかつて
どのような成長の軌跡を辿ったのかも、もちろん考えます。
「鉄は重厚長大産業だ。いずれ駄目になる」
「石炭は環境に悪い。斜陽産業だ」

WTOに加盟したからには貿易量も増えるはずだし、
北京オリンピック銘柄もはずせません。

夢は無限に広がり、
「買わないと損!」とばかりに、
投資対象を広げていったのです。

しかも株価は異常に安い。
一株10円、20円というのはザラで
高くてもせいぜい100円程度。
恐る恐るの割には凄い剣幕で、
気がついたら、銘柄数は50に迫る勢いでした。

まるでネズミが
アイウエオ順にかじったような買い方で、
私の口座は中国株のデパートになってしまったのです。

しかし私は自分のポートフォリオに満足していました。
リスク分散はした。
種類も揃えた。
この中から未来のソニーが生まれること間違いなしと。

とらぬ狸のなんとやら。

2005/08/22