戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> とことこ古都散歩(宮田琴)

とことこ古都散歩(宮田琴)

第7回 桜のトンネル −半木の道−

更に加茂川を北上してみます。

このあたりの川べりからは東山や北山の峯がよくみえ、
京都が盆地であることを実感させてくれます。
私などは東京や大阪といった平野部の都市に出かけると、
町中から山が見えないことに不思議な感じがしまうくらいです。
逆に川と山のある風景に身を置くと、初めて訪れる場所でも
なんだか懐かしいような気になってしまいます。

さて加茂川の川べりは以前にも御紹介したように
歩道が巡らされています。
この歩道添いに北へ向かって歩きます。

右岸(東側)は賀茂街道とよばれる車道で
毎年5月の葵祭の際には上流にある上賀茂神社から
下鴨神社へ平安時代の装束に身を包んだ齋王の行列が
優雅にすすむ道でもあります。
このあたりからの北山のながめはゆったりとした稜線が美しく
とても好きな景色のひとつです。

北大路通りの少し北のあたり、左岸には
しだれ桜がたくさん植えられています。
「半木の道(なからぎのみち)」と呼ばれるこの小道は
春になると深みのある桜色で、みごとなトンネルをつくりだします。
見ごろになるのは染井吉野の満開から一週間程後です。

このころになると、桜のトンネルを目当てに、
加茂川のお散歩人口がぐぐっと増加します。
あまり人が多い状況は苦手な私ですが
この半木の道の混雑は、むしろ好きなくらいです。

多分、歩いている人も犬もみんな、それぞれに
桜を楽しみながらのんびりゆっくり表情もやわらかに歩いているからでしょうか。

場所:京都市左京区下鴨上川原町 ※リンク切れのため、リンクを削除しました(2015.06.28)

最寄り駅:京都市営地下鉄「北大路」、京都市営バス・京都バス「植物園前」

2005/09/26