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とことこ古都散歩(宮田琴)

第4回 閑話休題 −出町柳・ふたば−

9月になりましたね。
それでも秋とは名ばかり、まだまだ暑い日がつづきます。

さて
これから月初は「お散歩の友」をご紹介していきたいとおもます。

今回はちょっとあるとうれしいおやつ編です。
京都御苑から程近い出町柳にある
お餅屋さん「ふたば」のお菓子です。

ここは雑誌やテレビでも何度もとりあげられているようで
いつ行っても人が並んでいます。
東京のデパートの催事でも出店されているようで
ご存じの方も多いことでしょう。

私が足しげく通った十代の頃は、
まだそこまで全国区的に有名ではありませんでしたが
それでも毎日人がならんでいました。

このお店でいちばんの人気者はやはり「豆餅」です。
簡単にいうと「豆大福」なのですが、
あえて「豆餅」というところに
「餅」へのこだわりがみえて、京都らしい頑固さが感じられます。

そのこだわりのとおり、餅部分がとても美味しいです。
えんどう豆の塩味もアクセントになっています。

それでは買った豆餅をたずさえて、鴨川の河原に腰掛けましょう。
天気の良い日には北山、比叡山、大文字の山並がきれいです。

水筒のほうじ茶を飲みながら、ひとくち頬張れば、
あっさりとした甘味と、さりげない塩気、やわらかなお餅の感触に
歩き疲れたこころも身体も癒されて、また元気に歩けるような気がします。

どんなに有名になっても
「町のおやつ処」のたたずまいを崩さないふたばは今日も行列です。

じつはもうひとつのお気に入り「椿餅」もあるのですが
それはまた、冬にでもご紹介したいと思います。

2005/09/05