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Cafe MIMIK(MIMIK)

第71回 CafeMIMIKのサマーアルバム

僕が結婚する時、昔お世話になった書道の先生から
掛け軸をいただいたことがあります。
もういい大人なのだから、別に床の間でなくとも
良いから、壁にかけて、季節ごとの絵、気に入った絵
を掛けて、鑑賞しなさい、ということを言われました。
僕は、この経験をとても大切にしている。
昔の日本人は、こんな風に季節を感じて、美術を発展
させてきたのだなと思いました。
だけど、掛け軸に絵をかけて、眺めるということは
あまりしていません。

本当に季節を感じることは大切だと思う。
僕の場合、それは音楽なのです。
こうして、CafeMIMIKで、いろいろな音楽を聴く
ことが季節を一番、感じることができるのです。

僕の夏の一番の過ごし方は、気に入った音楽
をききながら、厚い長編の紀行文を読むことです。

毎年のCafeMIMIKのヘヴィーローテーションは、

ギターデュオGONTITIの初期の傑作
「Devonian Boys」
残念ながら、何故なのかわからないが廃盤になっています。
僕の故郷のNHKのローカルニュースで、このアルバムの楽曲
をBGMとして使っていて、とても心地良い音楽だと思っていました。
後に、そのBGMたちがこのアルバムを中心とするものだとわかりました。

小野リサ「DREAM」
ほんとうに奇跡的に小野リサのアルバムに駄作はない。
まるで、スタン・ゲッツのアルバムのように。
やはり夏には、このジャズ・スタンダードをボサノバ風に
アレンジしたこのアルバムが心地良い。

カルロス・リラ「THIS IS BOSSA NOVA」
同名の映画のサウンドトラック的なアルバム
ジャズもそうだけれど、ボサノバのアルバムの傑作は
1960年代に多い中にあって、近年稀に見る作品。

アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽

長く音楽を聴いていると、マイナーな音楽家、
光のあたらなかった音楽家に目が行き、
自分だけの音楽家だと思い悦に入ることがあります。
でも、やはり、このボサノバの巨匠
アントニオ・カルロス・ジョビンには
深い深い鉱脈のようなところがあり、
いつ聴いても飽きることがなく新たな発見
があり、特に夏には。
ここでは、「ゲッツ/ジルベルト」をあげたい。
「イパネマの娘」や「デザフィナード」などの
傑作を全世界に知らしめた傑作が良いというと、
何だか夏目漱石の小説を推奨しているようで
少し気恥ずかしい思いもするが、傑作は傑作なので。

2009/07/19