戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> Cafe MIMIK(MIMIK)

Cafe MIMIK(MIMIK)

第37回 ベトナム株投資の王道(1)

バートン・マルキール著の
「From Wall Street to the Great Wall」の
日本版「中国株投資の王道」が出版されている。
原題も素敵だが、日本題も素敵な題名です。
直訳だと本の中身が伝わらないと思ったのでしょうか。

また、訳者も素晴らしい。井出正介さんです。
井出さんは、マルキールの代表作「ウォール街の
ランダムウォーカー」を訳されているので、この作品の
訳も任されたのだと思います。
その井出さんは、日本における日本株ヴァリュー株投資の
伝道師みたいな方です。その人が中国株・・・?と思いました。
後書きには、ご自身の中国株観を述べられてはいませんで
した。是非、お聞きしたいものです。

「中国株投資の王道」は、アメリカにおける中国株投資啓蒙本です。
アメリカで買えるADR銘柄、ETF等の金融商品から香港上場の銘柄まで
幅広く紹介しています。
この本を読むと中国株投資に関する限り日本人はアメリカ人より恵まれて
いると思います。だって簡単に香港市場にアクセスできるのですから。

ところで、中国株投資の王道のひとつで
マルキールが、勧めているのが、
クローズドエンド(期限付き、資金の再募集なし)のETFで
1証券あたりの価格が1証券あたりの資産を下回っている銘柄を
買い、満期まで保有する方法があります。

つまり資産1000円のファンドがあるとして
1000円を10口にわけると 100円/1口になります。
これが取引所に上場されます。当初1000円であった資産が
運用により1500円になったり、800円になったりします。
その分けられた1口を取引所を通して投資家同士で売買するのです。
ところが、需給関係で、100円の価値のものが90円で売られている
ことがある。通常の株式と同じですね。
通常の企業は永遠に活動していくことを前提にしているの対し
クローズドエンドのETFには満期があります。

このETFが精算されたとき、ETFは、資産を売却し投資家に戻します。
このとき、ディスカウントされた状態が満期まで続くと、ディスカカウント
分を手に入れることができるのです。
例えば1口90円で買っていて100円で買うと10円の儲けになります。
マルキールは10%ディスカウントされていればお買い得だといっています。

この方法は優れた方法ですが、日本や香港では使えません。
クローズドエンドのETFが上場されていないからです。
また、通常の投資信託は価格は運用会社により決められるので
この歪みは発生しません。

ところがベトナム、ホーチミン市場では使えることがわかりました。

2008/07/18