スウェーデンの家具製造販売会社ＩＫＥＡが神戸に店を開いたので、早速行ってきました。
ＩＫＥＡは、家具のデザインから製造、販売まで一括して行う世界に類を見ない企業です。
ロープライスを追求しながらデザインも洗練されているので、とても人気があると聞いていました。

また家具の世界では、「北欧家具」という言葉があるように、北欧のスウェーデンの企業ということも人を惹きつけるようです。
私も、以前ノルウェー製の椅子に凝っていたことがありました。

以前、カルフールが日本進出したとき、フランスの総合スーパーということもあり、期待して行きました。
ところが、結果的にカルフールの惨敗に終わったことが明らかなように、輸入品も多少扱う総合スーパーでしかありませんでした。
カルフールの強みは問屋を通さずメーカーと直接取引することにより、ロープライスを確保することでした。
ところが日本の流通の牙城を崩すことができなかったのですね。
でも、本当の敗因は、そんなことより、期待していたほど、フランス的でなかったことではないでしょうか。

カルフールの経験があったので、ＩＫＥＡにはあまり期待していませんでした。
ＩＫＥＡ神戸店は、神戸港につくられたポートアイランドにあります。
ＩＫＥＡの店舗は、巨大な倉庫のよにも見えます。事実、店舗内では、客が、ショールームで選んだ家具を、セルフサービスで商品棚から取るようになっています。
そこはさながら倉庫の雰囲気です。

今回、私は、家具を買うより店舗を楽しみ気持ちで行きました。

まず、ＩＫＥＡに行って驚いたのは、バックヤードにあたる物流倉庫の入口ですね。
駐車場入口の近くに倉庫の入口あったので、見ることができました。
以前、私は、倉庫の計画に携わったことがあります。そのとき、神戸市の倉庫業協会の方や倉庫企業の方のお話をききながら、計画を行ったことがあるので、多少倉庫の構造を知っていました。だからこそ、驚いたのです。
何とＩＫＥＡは、トラックでコンテナを直接、倉庫に運び、そのまま積み荷を卸していました。
普通の物流倉庫だと、港についたコンテナは、倉庫業者のもとに行き、そこで仕分けされ、トラックに載せられ、そこから、荷主のところに届けられます。

推測ですが、ＩＫＥＡは、船から直接コンテナで、商品を店まで運んでいますね。こんなことをしている企業は、重厚長大型の製造メーカーにはあると思いますが、小売販売企業は、めずらしいですね。

これで、商品倉庫と店舗を兼ねることができ、その分のマージンを省くことができます。こんなところにもロープライスの秘密があったのかと思いました。

2008/05/03