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Cafe MIMIK(MIMIK)

第7回 年始の亡国論を思う

年始になると、新聞・雑誌などで2008年の日本の
展望が多く出されます。
その中でも、特に多いのが亡国論です。
中国をはじめとする新興国の追い上げ、
衰退したかと思えたヨーロッパの復活
後戻りする日本の構造改革
を取り上げ、日本亡国論を展開をしている論調が多い
と言えます。

堺屋太一さんは、
1990年代は「失われた10年」だったが、
2000年代は「失う10年」になるだろうと警鐘を
鳴らしています。
「失う10年」というのは、名言になるだろうなと
思いました。

でも、ふと考えてみると、こんなに日本を扱き下ろして
日本は、復活するのだろうかと思います。
私自身、中国株やベトナム株をはじめたのも、
この日本の自浄作用のなさ、自己改革のできなさに
落胆したゆえのことです。

個人の自己開発に関していうとき、
個人を伸ばそうと思ったら、欠点をあげつらうより
長所、人より優れた点をみつけ、それを自他ともに
ほめる、そんなとこから自信を取り戻し、自己開発
につながって行くという物語があると思います。

国家も同じことが言えるのではないでしょうか。
長所、競争優位な点を見つけ、そこを伸ばしていく
ことによって自信を取り戻すことができるのでは
ないでしょうか。
なぜ、学者・評論家はもっと競争優位な点を賞賛
しないのでしょうか。
欠点のみ指摘していたら、国家も萎縮してしまい
自己成長を遂げることができないのではと思います。

というのも、国外から日本を眺めている人は、
日本の優れた点を見つけています。
医療、教育、社会インフラ、日本が優れた点は、
多々あるということです。
だから、亡国論はやめて、もう一度「日本天国論」
を書いて欲しいものです。

とはいえ、昭和32年、日本亡国論花盛りの頃、
「日本天国論」を書いた邱永漢先生も、
現在は、とてもではないですが、天国論なんて
書けないんでしょうね。

2008/01/14