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30代からの中国留学(松尾勝)

第15回 変化を求める人の悲劇

さて、先の例とは逆に、変化を求める人には
どんな問題が起きるでしょうか?

一番多いのは
周囲の安定志向の人からの
色々な抵抗に遭うことです。

例えば
もし自分の恋人やパートナーが
変化を求めないタイプだった場合
突然

 「来月から仕事でマレーシアに引っ越す事になる」

という話を切り出したら
相手は一体どんな反応をするでしょうか?

恐らく、ひと悶着が起きるのは
想像に難くありません。

ひょっとしたら、
これがきっかけで別々に暮らす事になったり、
もっと進んで、お互いに別の人生を歩むように
なってしまうかも知れません。

その次に多いのは
変化を求める人の
第一印象は、どうしても
 「飽きっぽい人かも知れない」
 「あまり忍耐力がないかも知れない」
 「一緒に仕事をする事になっても
 結局覚えた頃に辞めるかも」
という先入観で見られてしまうことです。

本来は、変化を求めることと
その人に能力が有って、
信頼できる人かという事については
全く関係はないのですが
一々仕事を変えた明確な理由や
考え方について説明をして
相手に納得してもらわない限り
色眼鏡で見られてしまう事は
避けられません。

もう一つあります。
これは、変化する事に対しての
見通しや覚悟が甘かった場合、もしくは
本来は安定志向の人が
性急に変化を求めた場合に
起こるのですが、
たとえ途中で「自分が間違っていた!」と
気付いたとしても、元には戻れず
また、新たに方向転換する先を
見失ってしまうという事です。

特に日本の大きな企業に勤めていた場合
中途退職者を同じ会社が同じ待遇で
もう一度雇うケースは極めて稀ですから
本人に特別な知識や専門的な能力が
無い場合には、勤め人に戻った場合は
収入減は避けられません。

変化を求めて
一旦違う道を歩き出した以上は
たとえ途中で何が起きようとも
もう、元には戻れないのです。

2005/11/13