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枝葉末節、本末転倒(黒崎官瑛)

第13回 チャイナ・ボーチー

チャイナ・ボーチーについて説明します。
チャイナ・ボーチーは火力発電所の脱硫システムの建設をしている会社ですが、ビジネスの主体である北京博奇が2002年6月に設立されました。

2002年12月に株式会社荏原製作所からジェット・バブリング式脱硫技術を導入し、翌1月川崎重工業株式会社からスプレー塔式脱硫技術を導入することで、ビジネスの基盤を作りました。

2003年12月にチャイナ・ボーチーがケイマンで設立され、北京博奇を子会社化しました。
それ以降、シェアを獲得しつづけ、2007年では単年度シェア1位になりました。
現在は水処理事業やボタ石発電などに業務を拡大しています。

白雲峰(バイ・ユンフン)CEOは1975年生まれと会社もトップも非常に若い会社です。
前述したチャイナ・ボーチーともども非常に若い会社で、
2000年以降に設立された会社の勢いを感じます。

火力発電所では主に石炭を燃料としていますが、
石炭は燃やすと多くの二酸化硫黄を出します。
二酸化硫黄が大気中に排出されると酸性雨などの環境汚染になります。
その二酸化硫黄を取り除く装置(というより施設)が脱硫システムです。

簡単にまとめると、中国全土で展開している環境関連会社です。

邱永漢さんが環境関連会社に投資する上で最低限満たすべき項目が、
・中国全土で展開する企業
・政府系ではなく民間企業
ということですが、チャイナ・ボーチーはその両方を満たしています。

チャイナ・ボーチーの長所は、以下のように考えています。
・手堅い中国の環境関連会社
・中国全土で展開しシェアトップ
・わずかでも配当を出している

逆に短所は、以下です。
・装置の主材料の鉄鋼の価格が上がると利益を圧迫する
・ストックオプションを頻繁に行い、PERを希薄化させる
・大雪や地震の影響
・営業キャッシュフローがマイナス

2008年第一四半期はチャイナ・ボーチーの短所が随所に現れた決算で、
赤字となっています。

さて、中国の環境関連会社といいますと、東江環保が有名ですが、
東江環保との最大の違いは資源の価格上昇の影響です。
東江環保は資源リサイクル事業があり、資源特に銅価格上昇の恩恵を受けます。
しかしチャイナ・ボーチーは資源リサイクル事業がない上に、
装置に資源を使いますので資源高には弱いです。

現在10万円台と安い株価になっているので、
資源安と環境ビジネスの発展に信念を持てる人に向いている株です。

次は株から離れて、インターネットを使って、
一度も言ったことのない場所に迷わずに行く方法を説明します。

2008/05/26