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枝葉末節、本末転倒(黒崎官瑛)

第2回 株投資は個性が出ます

「株取引は人々が互いの人生をぶつけ合っている行為」と書きましたが、
身近な例として、邱永漢さんと戸田先生の投資方法の違いを取り上げて見ます。

邱永漢さんは、時代の状況に合わせて投資方法を変えていきますが、
一番得意としているのが、成長株投資です。
成長株については戸田先生のコラムを見てもらう事として、
端的に言いますと、「成長株とは景気不景気の高波の中にあっても
業績が年々よくなり、利益が年々増大する企業を指すもの」
(もしもしQさんQさんよ-第2614回 成長株作戦は依然として、健在です)
です。

戸田先生は、基本的には邱永漢さんの投資方法を行っていきますが、
「持ち続ける」ことを重視しているように伺えます。
戸田先生の成功体験として、香港の一坪ショップを挙げてみます。

「私は買ってからすでに6年の年月がたっていて、
自分がいくらで買ったのかすっかり忘れてしまっていました。
一旦電話を切って買った時の値段を調べたら、
中国の人が買いたいという値段は私が買った時の3倍の値段です。
私はいろいろ勉強もさせてもらい、もう売ってもいいかと思い、
売却手続きをとってほしいと返事をしました。」
(お知恵拝借! 第86回 香港の不動産は邱さんが予言した通りになりました)

これだけでは、ニュアンスが分かりにくいかもしれません。
そこで、方正控股 (ファウンダー、香港H株 コード:0418)を
買った後の対応を見てみると、ハッキリします。

邱さんは、方正控股を買った後、
「技術的にはいいけども、商売にしたら全然駄目なものの代表が
ファウンダーだと私は見ております。
私自身も実はたくさん株を持っていたんですけども、
そういう具合に認識した時点で
損を覚悟で全部売り払ってしまいました。」
(ハイハイQさんQさんデス - 第1136回 長期投資将来性を教えて下さい)
という具合に、業績が上がらないと見て売却しています。

戸田先生は、
「いずれは高くなる株だと思い今も持ち続けています。」
「株価はいぜん低迷を続けていますが、
中国を代表する総合大学のまん前に
本社ビルを設けるほどの会社なら
まずつぶれることはないなあと思い、」
(お知恵拝借! 第971回 「方正集団」の本社は北京大学の門の前)
という具合に、いづれ業績は上がるだろうと見て持ち続けています。

どちらも一見識で、良し悪しではなく、
性格や人生観が出ているように私には思えます。


●数字に興味を持った幼年時代

私、黒埼官瑛の自己紹介を続けていきます。時系列順がいいように思い、
幼年時代から説明いたします。

私は1979年に生まれました。その年代のことは正直覚えていませんが、
戸田先生にとっては特別の年だったそうです。

私が3歳の時、数字に興味を持ってしまい、掛け算九九を覚えたらしいのです。
父や祖母は大喜びだったらしく、「この子は天才かも知れない」と本気で思ったそうです(親馬鹿です)。

一方、私は車(自転車・自動車)やボールやロボットには全く興味を向かず、電卓を触ったり、数字の落書きをしたり(今でも実家に残っています)してました。

買い物に連れて行かれた際は、電卓が並んでいるところで夢中になってしまい迷子になってしまったことがあります。まあ、変な子ですよね。

2007/09/04