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お鍋の中と外(榑林未奈子)

第5回 塩の力

前回、ニョクマムが意外と汎用性の高い調味料であると書きました。
じつは我が家では、ニョクマムと同じくらい、何にでも使う調味料が
もうひとつあります。
キパワーソルトという焼き塩です。

韓国の焼き塩で、超高温の特別な製法で作られているため、
サラサラの細かいパウダー状になっています。
粒が粉砂糖のように細かく、さっと振っただけで、
ごく少量でも素材によくなじんで、おいしくなるのです。

シンプルにゆでたり蒸したりした野菜に一振りして
いただくのが手軽です。
塩気だけではなく、旨みや甘みもぐんと増して感じられるのは
不思議なことです。

また、肉や魚の下ごしらえとして使うと、ふっくらとジューシーになる上に、
生肉の状態での傷みが遅くなるようです。
もっとも、これはキパワーソルトに限った話ではなく、
塩そのものの力かもしれませんね。

最近のヒットメニュー・長芋の梅和えを紹介します。
皮をむいて薄切りにした長芋にキパワーソルトをまぶして
しばらく待ち、しんなりさせます。
そこへ種をはずして叩いた梅干を加えて、和えます。
塩の力でパキパキ折れてしまうことがなく、生のお芋とは
違った食感が味わえます。紅白で、目にも美しいですよ。

キパワーソルトとの出会いについては、ちょっとした
エピソードがありますので、それは次回にお話しましょう。

2012/01/30