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お鍋の中と外(榑林未奈子)

第4回 ニョクマム

昨年の8月に、戸田ゼミ主催の企業視察セミナーに参加し、
初めてベトナムのホーチミンを訪れました。
私にとっては海外旅行そのものが人生初ということで、
飛行機に乗る段階から新鮮な驚きに満ちた体験をすることが
できました。

そんな経験の中で、帰国してからの我が家の生活に
一番大きな影響を与えたのは、ニョクマムです。

ニョクマムはベトナムの調味料です。
カタクチイワシという小魚と塩を原料にして作られ、
漢字では「魚醤」とも書かれます。
この字面のせいで、名前だけを知っているうちは、
なんだか魚臭くてアンチョビペーストのようにドロドロの印象を
抱いていました。

実際は、うすくち醤油のような澄んだ液体でした。
とても旨みが濃い。

日本に帰ってからベトナムごはん的なものを再現したくなり、
買ってきたのがフンタン(HUNG THANG)というブランドの
ニョクマムでした。
初めは恐る恐る、だんだんと大胆に料理に使ってみたら、
何にでも合うのです。
煮物・炒め物はもちろん、お醤油がわりにお刺身や卵ごはんに。
黒酢と半々に混ぜて、餃子のタレにするのがヒットでした。

こうして、日常にすっかりニョクマムが染みわたった辺りから
気になってきたのが、味の違いです。
お醤油に沢山のブランドがあって、味も香りも違うように、
ニョクマムもブランドごとの味わいが違うはず。
と思って、あちこち探しました。
輸入食材店・アメ横・ネット通販……
しかし、どこを見ても見つかるのは先述のフンタン製のものばかり。
タイ製のナンプラーは、いくつかのメーカーの物が輸入されているのに、
ベトナム製のニョクマムは一種類しかない。ここまで統一されていると、
「なにか輸出規制のようなものでもあるのか?」
と勘繰りたくなります。

しつこく検索していたら、個人のブログで
「Three Crab Brand」という三匹の蟹のラベルを用いたメーカーの
ニョクマムがおいしいという情報を得ました。

今年の2月末に予定されている、ハノイ投資考察セミナーにも
参加するつもりなので、ぜひとも現地のスーパーに立ち寄り、
「Three Crab Brand」のニョクマムを探すつもりでいます。

2012/01/22