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融通無碍(久遠善行)

第12回 父の立場・状況に立って息子を眺める

高校受験でワンランク下の高校に入学したワタクシですが、
親戚たちから見ると
彼らの想像より3つ下のランクの高校に入学したワタクシです(笑)

父の世代は高度成長時代。
良い学校→良い就職先→良い人生という図式がフツー。
先々思いやられると思ったのでしょう。
D高校に入学した私に父は言いました。入学早々にです。
「周囲と同化してはならない。
抜きんでるよう、人一倍勉強し良い大学へ入りなさい。」と。

これに対し、私は
「ヤレヤレ、受験が終わった直後だってのに"また、勉強しろ"かよ・・
それしか言えないのか?
親父の言うことなんかマトモに聞いてたら、学生生活がオカシクなっちまうよ。。」
と心底呆れました。

父の状況に立って眺めて見ましょう。
まず、D高校入学ってことで、親戚(姉夫婦たち)にバツが悪いです。
合わせる顔がありません。

親戚たちの子供らはそれなりに、良い(偏差値が高い)高校に
入学している状況です。
息子がA高校並みの実力があるように見せかけていたのは仕方ないにしろ、
蓋を開けてみたら、C高校すら入れる学力が無かったって?
おいおい、教師の孫なのに?
一体どういう教育をしてきたんだ?
本当に勉強を教えてきたのか?
遊ばせちゃったんじゃないのか?
・・・
こんな感じで、父は親戚(姉夫婦たち)から痛い視線を浴びたんじゃないかと
イランこと言われたんじゃないかと
--心中お察ししてしまいました(笑)

さらに、父の心境を推察してみましょう
祖父亡き後、息子には・・・
小学6年から塾へ通わせた、
安くはない教材を買い与え、
通信講座を受けたいといったら受けさせ、
車で塾への送り迎えをし、
やれ夏期講習だ、冬期講習だと
数々の出費をしたにも拘らず
この結果・・・
自分としては万事、手を尽くした筈だ!
何で俺が責められるのか・・

父の皮肉が始まったのはココでした。

高校入学直後の私に空かさず、「勉強しなさい」と父は言い
私は心底呆れました。
私が父の話をマトモに話を聞けなくなったのは、このときです。
父の言い方の変化はココが始点・・
 息子は話をマトモに聞かない
  ⇒従来通りの言い方では駄目だ
   ⇒皮肉を言ってインパクトのある言い方をする

え?何だって!?ちょっと待ってくれ、
父の皮肉の発端って、俺が原因!!?

衝撃の事実!

「いやいや、マジですかー、なんか、違うんじゃないの?
 内観って罠っぽくない?だってさ、全部自分のせいになってるし・・・・
 いやいや、俺のせいじゃないよー
 えーっと、これホントなの!?」

数十分、混乱し受け入れられません。
二十年近く、父が悪者だったのですから

母だけでなく、父もまた事実誤認して生きていた自分だったのです。

2009/12/28