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融通無碍(久遠善行)

第11回 父の皮肉の起源

内観してみたところで、父の皮肉は治るまい。
私の問題ではないのだから・・
そう思うと特に思い出すこともないか・・という
気分になりました。

あの皮肉は父の性格・・
先天的なもんだよ。
ありゃ~、自分が生まれた時から言ってたんだよ・・・
と思ったら、どうもそうではないことに気がつきました。

父の皮肉は、いつ始まったんだろう?

忙しい日常生活の中では、普段考えもしないことです。

内観研修所は外界(下界?)と完全に隔離された空間です。
内観以外にすることは
・部屋の掃除(起床直後)と洗顔(朝)
・三度の食事
・トイレ
・風呂(16時頃と早い)
・日々の感想文(21時)
しかありません。時間だけは大量にあります。

こういう空間で、3日目ともなるとトータル時間は
1日目 15:30~21:00
2日目 05:30~21:00
3日目 05:30~
と振り返りの時間が20時間を超えており、
心は落ち着き、妄想・雑念の類が収まってきます。

父の最古の皮肉で思い出せるのは
私の高校の社会課の教師がAERAという雑誌にインタビューが載った
・・ということを父に話したときです。
AERAに載るなんて、自分では単にすごいな~と思って話をしたのですが、
父は「その教師はなんか問題でも起こしたんだろ」と回答し、当時の私を絶句させました。

この台詞が最初のようでした。
これ以前は言われていないようです。
「はて?中学生時代は言われてなくて、高校生時代は言われてた・・」
その間のイベントとはと言えば・・・高校受験です。

この高校受験。
私は直前になって希望より1つ下のランクの高校に入学したという歴史があります。
失敗?いえいえ、自分にとって失敗でも何でもなく、
それなりに高校生活を楽しめたのですが、
どうも、父にとって一大事であったようです。

当時の状況を説明しますと、地域の高校のレベルはこういう感じでした。
A高校 地域で1番目 トップレベル
B高校 地域で2番目 平均より上 
C高校 地域で3番目 平均←家から一番近い
D高校 地域で4番目 平均より下

「家から自転車で行ける」ということで、私はC高校を希望していましたが、
直前の進路相談でより安全圏の方が・・ということで
D高校に変更しました。

家族は大騒ぎになりました。
どうやら、ウチの親たちは、親戚(父の姉たち)の手前、
「(息子・長男は)A高校に行けるレベルではあるが、家から近いので、C高校に行く」
という触れ込みをしていた模様。

C高校にすら入れないレベル・・というのが親戚中に判明してしまった瞬間でした。

2009/12/22