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融通無碍(久遠善行)

第9回 「勉強しなさい」の真相

耳に蛸ができるくらい
「何やっているんだ?」→「そんなことにして何なる?”勉強しなさい”」
というセリフを吐き続けた父・・

子供時代、毎日
いや・・顔見るたびに、言ってたんじゃないか・・
そう思い出すとちょっと、怒りすら感じてきました。

どうしてあんなに「勉強しろ・勉強しろ・勉強しろ・・・・」と言われたのか
確かに、前回上げた
最終目標を持てば・・というものあったでしょう。
それだけじゃ、無いような気がします。

父として、息子が勉強できたらどうたったのか・・
・息子がクラスで成績上位者だったら鼻が高い・・・
・いい成績→いい学校→いい就職先の息子を人様に自慢できる・・・
ん~、どうもしっくりきません。

父のエゴ、利己主義だろうと今まで思っていたのですが、
そうではないようです。

「父は父、祖父の影響を受けているかもしれない・・」とフト思いました。

私の祖父は定年前は国語の教師をしていました。
定年後の祖父は、悠々自適。
私が小学一年の時に他界するまで、よく勉強を教えてくれました。
私は教師の孫の長男としてこの家に誕生したことになります。

父の兄弟構成を振り返ってみると、父には姉が3人います。
結構、強力・・・と言いますか押しの強~い個性的な姉たちです。
父の「妹」ではなくて、「姉」ですので、
お盆、お正月等、親戚たちが集まった時など
父は姉たちからトテ~モ突っ込まれ安い立場であった・・・
ということが判明しました。

そして、自分が小学校入学したと思ったら祖父が亡くなります。
それまで、私に勉強を熱心に教えてくれた人がいなくなってしまったのです。
父としては焦ったことでしょう。
・・かといって、悠々自適で教えてくれた祖父と違って、
父には平日仕事があり、
ましてや教師をしているわけでもなく・・

祖父が居なくなってから息子・長男が
「全く勉強しなくなった・・」、
「成績が下がった・・」、
「勉強の習慣がないバカ息子(まぁ、結局はそうだったのですが(汗))に育った」
そうなった暁には、父の責任です。
姉たちから猛烈な非難を食らうことでしょう!

そういう背景があって出てくるセリフが・・”勉強しなさい”だったのです。

当時の父がこの台詞を言わざるを得ない状況が
30年経過して、ようやく納得できたのでした。

2009/12/09