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道連れは無敵の相棒(湖津園立治)

第14回 もう肩書きはない

私の働いている日本語学校は上海市内に4箇所あって、
そのうちの1つは地下鉄一号線の徐家匯駅の近くにある
中山公園駅は二号線なので、徐家匯に行くには
人民広場駅で乗り換えなければならない
距離的にはそんなに離れていないのに地下鉄で行くにはちょっと遠回りだ
最近、中山公園から交通大学まで行けるバスの路線を見つけたので
バスで通勤することにした
交通大学から徐家匯の駅まで歩いて10分くらいだろうか
この大学には知り合いが何人か語学留学中なので
今度ゆっくり学内を案内してもらうことにしよう

先日、「連名のお願い」と題したメールが来た
大学の研究室を通じて知り合った研究者からのものだ
何年も前の話になるが、職場の派遣研修制度を利用して都内の大学に通い
「水需要予測」について研究していたことがある
派遣期間が終了した後も研究室の学生が、跡を引き継いで研究をおこなってくれた
私も時々大学に立ち寄って一緒に検討したものだった
彼らが学会に研究論文を提出する際には、私の名前も連名で記された
今回もまた論文提出にあたり私の所属名称を確認してきたのだが...
今はもう肩書きがない、某県の職員だったのは今年の半ばまでのこと
今は当時と全く関係のない仕事をしている
ロジスティクス学会に、語学学校の日本語教師では、どうにも恰好が付かない

発電所勤務から水道局の浄水場に転勤した時
旧態依然とした仕事のやり方に疑問を感じた
また、送配水監視制御システムの更新が予定されていた時期だったので
業務上の課題について徹底的に調べておきたい考えもあった
そんな時だった、大学への派遣研修制度があることを知ったのは...

職場の仲間達からはいい顔はされなかった
人員が増えるわけではないのに勝手なことをするなと非難されたり
学校に遊びに行けるとは羨ましいと嫌みを言われたりした
だが何とか上層部の了解を取り付けた
問題なのは受け入れ先の大学だ
県内の大学にあたってみたが、大学教授の紹介がないと受け入れられないという
だが諦めるわけにはいかなかった
当時は今のように充実していなかったが
ホームページを公開する大学が増え始めた頃だったので
ネットで社会人研究生を受け入れる制度のあることが
しっかり明記された大学を片っ端から探していった
そうしたら2校だけだったがあったのだ
ひとつは、事務局の担当者に会ってかなりの好感触を得たが
キャンパスが遠く、仕事をしながらの通学は無理だったので
派遣先はもう一つの大学に自ずと決まった
それは都内の公立大学で環境も申し分なかった
あの時、「志があれば道は開けるものだ」と実感したのだった

交通大学.JPG

交通大学

2005/11/20