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道連れは無敵の相棒(湖津園立治)

第3回 天下のリーベンレン

中国は車優先社会なので
歩行中に轢かれても文句は言えない
ゴミもよく道端へ捨てられている
列に並ばず横入り、悪びれる様子も無い

地下鉄ではなかなか座ることが出来ない
降りる人が先に下りるのを待っていたら
我先に入り込む人に
席を取られてしまうのは当然である

日本人はモラルが高い故
いつも損させられてばかりいるような気がする

...

♪ひとつ、人よりお人好し
 ふたつ、ふる里後にして
 華の上海でチャンス探し・・・♪

昔、「いなかっぺ大将」というギャグアニメがあった
主題歌を替え歌にして自分自身に置き換えてみる
ちなみにこの「大ちゃん数え歌」という主題歌は
当時14歳だった天童よしみが歌っている

若い人にはなじみが無いかも知れない
当時は田舎から都会に出て来て
成功し故郷に錦を飾るという
立身出世物語がたくさんあった

もし今見ることが出来たら泣いてしまうかもしれない
造詣が深い読者ならお解かりいただけるだろう
本当に悲しいのは悲劇よりも喜劇だからだ

大ちゃんこと風大左衛門は
「超」が付くほどの田舎者、ドジで間抜け
その上疑うことを知らない素直な性格ゆえ
周りからよく馬鹿にされる

しかし、持ち前の粘り強い根性で
困難を克服して
最後には柔道家として大成してゆく
...


上海に限ったことではないかもしれないが
ここはやはり世知辛いところである
価値観や習慣が違うのだから
誤解もよく起きる
どうすればいいかは
ひとつひとつ考えていくしかない

だが、こちらの生活に慣れて
上海人のように振舞い
昔からいるみたいに
成りきってしまえばいいとは思わない

列の順番も守るし
降りる人が先に下りるまで待つ
日本人丸出しだっていいじゃないか
おいらは天、天、天下のリーベンレン(日本人)なのだ

2005/08/28