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丘の上から(小日向次郎)

第68回 お盆前の業務

お盆前のことであるが、
「何もなければただ待つだけ」というユニークな勤務をした。

メーカーがベストを尽くして生産設置するのは当然であるが
動かしてみるとうまく行かない場合もないわけではない。

原因がどんなに小さなことであれ、
不具合が発生するのは良くないこと。

1日目10時間2日目15時間と休息を含んで
不足の事態に備えてとある拠点に待機することとなった。

本来は小生のする業務ではないが関係部署の都合によりスポットで担当。
「待つだけ」とはいえ仕事が全くないわけではない。

日中チョコチョコと雑用をこなし、
開いた時間をどう過ごすか?と前日ひたすら考えた。

インターネットは開通していなかったことが悩ましいところだったが
1.本を読む
2.コラムを執筆する
3.私用で各方面に連絡し色々と進捗を望む
と優先順位をつけてパソコン持参の上作戦を開始した。

普段読書に多くのまとまった時間を割くことがない小生にとって
3冊800ページ読むことができ有意義だった。

戸田ゼミ参加時に頂いた本を集中的に読めたこと
また鉄道や歴史ファンにお勧め
「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史原武史著作 新潮文庫
を読むことに没頭した。

中でも第4章西の阪急、東の東急 
関東と関西の私鉄発展のプロセスを比較しているのが新鮮で
阪急の創始者小林一三と東急の創始者五島慶太を中心に描かれている。

勿論、鉄道紀行文学と言えば内田百閒、阿川正弘、宮脇修三の
おなじみ3巨人。
このことも書かれているのでご安心のこと。

今まで間隔が間延びしていたコラムについて
巻き返しを図るべくネタの整理に時間を費やそうとした。

しかし、いざ書こうと思っても書けないもので、
ちなみにこの稿も「思いつき」で綴っている。

今回は無理な試みであった。

この手の業務には本が欠かせないようである。

2011/08/16