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丘の上から(小日向次郎)

第44回 イギリスで見た落書き

我が家の娘はよく食べよく笑い、
よく遊び、あっという間にもうすぐ2歳になります。

先日子供と色々なおもちゃで一緒に遊んでいる時、
イギリスに滞在中に招待された日本人のご家庭での
ことを思い出しました。

その方は大手電機メーカーを退職されて、
イギリスに留学することになった30半ばの方。

そのお宅に招待された時のことです。

お宅を訪問すると、なんとその家、
ある部屋の壁一面が子供の落書きコーナーと化していました。

ご主人が(絵を指さしながら)、
「これは日本の子供が描いたもの」
「こっちはイギリスの子供が描いたもの」

明らかに日本の子供とイギリスの子供が描く落書きは、
傾向の違いがわかりました。

話を続けていくうちに、
「日本人の子供は、アニメなどのキャラクターや動物に似せて書こうとする」
「イギリスの子供は、何かに似せて書くよりは自由に考えて描く」
そんな傾向があるんだと言うのです。

確かにその壁にはアニメのキャラクターや動物に似せようとしたものと、
何をイメージして書いたのかよくわからないが何かを創りたいと感じ取れる画と
両方ありました。


たまたまのことであり、この1件で全部を語ることを
しようとは思いません。

しかし、「七つの海を闊歩した国」の子供と「日出る国」の
子供の傾向の差は何から生じるものか?

と自分が悩むに十分なものを得たその壁と落書きのことを思い出したのです。

また、その子供が育ち社会を形成する訳ですから、
環境や毎日接するモノが重要なのを繰り返し考える必要があると
感じました。

加えて自分が在籍している職場でも同じことが言えると思います。

企業文化と力量は、環境と企業から発信された情報により、
その将来を決定することになると考えます。

2010/10/31