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丘の上から(小日向次郎)

第37回 スコッチパスポートウクライナ②

ドネツク炭田のことを通称ドンバスと称します。

ウクライナ東部にはロシア系民族の割合が多く、
西に行くとその割合が低くなります。
 
ですので、ドネツクではロシア語のほうが
ウクライナ語よりも多く話されているようでした。
 
ドネツクは炭田の上にできた街であり、
地方都市のなかでは豊なほうだと言うことです。
 
余談ですが:ウクライナはソ連時代に軍事部門の生産を
担当していたと詳しい人に伺いました。
 
ソ連が崩壊して、ウクライナの軍事産業は転換を
余儀なくされました。
 
例えばウクライナの模型飛行機はとてもよくできている
ゆおで、聞けば元々産業転換迫られた企業の1つだとか。
 
日本人はおろかアジア人が少ないためでしょうか、
すっぴンのピエロが歩いているぞ!みたいな、
目線を感じました。
 
治安のほどはわかりませんが、ウクライナで気分を害した
ことはありませんでした。
 
特に遠方から来た初対面であり言葉もよく通じない日本人を
笑顔で迎えていただきました。
 
「日本人がおらが街にやって来た!」と話しが大きくなり
地元メディアが来たこともありましたし、数件の御宅に招待&
ホームステイをさせて頂きました。
教員仲間の家、生徒のお宅。
なかでも、治安関係に携わる職に就かれている方の家に招待された際、
家の扉は防弾扉。「安心してお泊り下さい」ですって。
 
元々食べ物に対しての好き嫌いがないのに加えて、
出されたものはなるべく残さない習慣もあり、
ウクライナ人は「この日本人はウクライナ生まれか?」
と冗談まで言われ、日本への好感度アップ?!
につながりました。
 
出されたものを全部食べると次から次へと料理が出て、
飲めば飲めほどボトルが並ぶ。
 
確かにおいしいから食べていたのもありますが、
酒はうまいし言葉は通じないけど楽しかったことにより、
体重が2週間の間で4キロ増えました。

2週間の滞在後にイギリスへ。

ロンドンに入ると、すごく安心して、
テンションが高くなりました。

大学に戻ってみると、「おかえり」 "Welcome Back"ではなく、
「ご帰還おめでとう」"Great Return" と言われたのには
笑いました。

イギリスのユーモアもさることながら、
その時はコソボ紛争で東欧が荒れていたことも背景に
あったからではないでしょうか。

2010/09/03