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丘の上から(小日向次郎)

第30回 ドバイへ②

ドバイの経済を支えているのは、インド・パキスタン系、
フィリピン人、中国人などです。

私がドバイでお世話になったのは、パキスタン系の方でした。

かなり身分の高い、サロンに出入りする紳士でした。

全員中流階級意識を持つ我々とは、考え方もやり方も
随分違います。

その紳士の手がける事業は多岐に渡り、
彼の本業は小職の産業分類に属さず、我々の仕事に対しては素人。

しかし、「やってみたいビジネスだと思い(小職に)声をかけた」
という我々が忘れかけていそうな点から始まり、「これはできないか」
「あれはできないか」と沢山出てくるアイディアの山。

また、その紳士が話しているときの楽しそうな顔を今でも思い出します。

そのアイディアが良質のものかどうかは別として、
日本の会社員はとかく組織の中で「できる」「できない」を
考えてからアイディアが生まれる。

終身雇用制に守られた自分がとても小さく見えたものです。
就業時間はなく、24時間必要な時に必要な仕事をする。

その業務は効率的であり効果を追求しリーダーシップが存在。
理解できても受け入れるのが日本人には難しいかもしれません。

仕事は強いインド・パキスタン系の横の連携による人脈により運営されており、
投資家で構成するクラブに世界のニーズに関する情報が集中します。

役割を分担し利益を最大化に導くのです。

ほとんどの時間をインドやパキスタン系の方と一緒でしたので、
10日間のドバイ滞在中カレーを食べる機会が多かったです。

というか、毎昼夜カレーを食べていました。

なんの抵抗もなく食べて過ごしました。
中東の気候では、きっとカレーは良いのでしょう。

とある日の記録を見ると、昼は北部インドのカレー、夜は南インドのカレー。
「どちらが好きですか?」と聞かれて、「そうですね。北部かなぁ」。

帰国して2ヶ月くらいカレーを食べる気にはなれませんでした。

2010/07/16