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丘の上から(小日向次郎)

第23回 白洲次郎始めます。続①

白洲次郎について以前書いてみましたが、
その後白洲次郎が中国を始めとするアジア大陸の
国々に対しどのような関係や関心を持っていたのか
と考えました。

そんなこんな考えているうちに、
自然とインターネットに手が伸び「白洲次郎」と検索。

小生は、10年程前に白洲次郎のことに興味を持ち始めました。
ブームになるほど多くの人が共有している話題ではなく、
本屋に1冊か2冊程度あった知る人ぞ知る御仁でした。

ブームが起きたのは、2~3年前でしょうか。
NHKでドキュメントやドラマが放映され、今では
「カントリージェントルマン」や「日本人」像を求める
人々の代表格になるくらいの人気ぶり。

小生は白洲次郎についてNearly Englishmanと記しました。
実は、小生のイギリス滞在中に、イギリス人の教授から
「あなたはNearly Englishmanね」と言われたのです。
訳すと「イギリス人らしいところが多くある」という
ところでしょうか。

だから、白洲次郎も大枠でこの中に入るのではと考えては
無理があるなと最近思います。

陶芸家で元内閣総理大臣の細川護煕さんが白洲次郎について、
「メイド・イン・イングランド」人であるとエッセイの中に書いてあります。

(新潮社 波2004年10月号より 次郎さんの思い出 白洲次郎、白洲正子、青柳恵介、牧山桂子ほか「白洲次郎の流儀」(とんぼの本) 細川護煕)を参照しました。下記はその一部を引用しています。

これはすごい。意味はとても明確、「イギリス産」です。

白洲次郎に近い人の間で「メイド・イン・イングランド」人と
定義しているのであれば、白洲次郎に日本人像を求めるのは、
少々難しいかもしれませんね。

また、細川さんのエピソードとして、
白洲次郎が理事長をしていた軽井沢ゴルフクラブの中で、
「クラブの中に商品の広告がチラチラするのはけしからん、
広告にはすべて絆創膏を貼ってしまえ。」だそうで、
理事会の決議によりブランド名やら商品名を全部紙で隠しました。
クラブハウスで使用している冷蔵庫や備品などにも。

その後、そのゴルフコースでラウンドする直前、
細川さんのお父様が白洲次郎に対し、
(クラブの理事会で決まったことに基づいて)白洲次郎が
今打とうとしているゴルフボールにも
ブランド名が見えるので絆創膏を貼りましょうと
言ったそうです。さすがの白洲次郎も1本取られた感じ。

このお二方の会話をどう思われますか?

小生にとって白洲次郎はブーム中のヒーローではありません。
マッカーサーを叱ったことや、時の総理大臣にたてついたことを
クローズアップしがちですが、上記のような「(凡人から見れば)
ユニーク」な発想を日常しているEnglishmanくささがなんとも
言えない。彼の人生随所に見れるそんなユーモアがたまりません。

数々の偉業とこれを結びつけることができるでしょうか?

さて、白洲次郎のアジア感については、何だか探している間に
どこかに飛んでしまったので、後日探してみます。

波 2004年10月号より 次郎さんの想い出 白洲次郎 白洲正子 青柳恵介 牧山桂子ほか 『白洲次郎の流儀』(とんぼの本)細川護煕

2010/05/28