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丘の上から(小日向次郎)

第10回 ベトナムへ③

その先のアジアとは?

印象に残っているベトナムの風景は、
どこにもある「1本の道」です。

特に地方へ行くとわかるのですが、1本の道を歩く人、
自転車、牛、オートバイ、車、バスなどあらゆるものが、
お互いを邪魔することなくその道を仲良く進んでいると
のどかなものです。

街の道路には豚や鳥を丸ごとバイクの後ろに乗せて走る
人がいます。新鮮とは生きたまま現地に持ち込みそこで
料理するということなのでしょうか。

ちなみに私は、すっぽん、イノシシ、鹿、蛇、熊、鯰
などの珍味をいただきました。

ベトナムのどこを走ってもこの「1本の道」
に出会うことになりましょう。

早いものは遅いものを避けて進みます。
それがなんともいい感じです。

ベトナムは漢字で「越南」と書くところから、
中国から見ると南の境を越えたところにある国
だと定義したらよいのでしょうか。

この国を地図で見ると南北に長い国ですね。

北の山岳地帯ではまれに雪が降ることもあると聞きました。

お恥ずかしい話ですが、最初の訪越の際、
自分の命を守ることを考えていました。

しかし、無用な心配でした。

バイクと車の多さに慣れれば、本当に安全な国。

信号や道路が今後整備されることでしょうから、
訪問者にとってはより身近な国になると思います。

訪越をするたびにベトナムは「何か忘れていませんか?」
を自分に問いかけてくれます。

客観的な理由は特になく書くに値するかどうかも
疑問ですが、日本での業務や生活をしている時に
忘れてしまった何かがベトナムにはあるような気がします。

それは日本にない豊かさを感じたと書けばいいのか、
その昔あった日本のような雰囲気があると申せば良いのか。

いい意味でも悪い意味でも「いきあたりばったり」な所が
日本よりは多い。長期出張に出ると、多少考える基準が
変わります。

わかっているのだから、帰国してそれを補正すればいい
のでしょうが、ベトナム流はそれで嫌いではありません。

このように、少なからず「アジア」に影響を受けました。

もしかすると、今後経済発展が続けば紅く見えたあの国を走る
「1本の道」のような風景は見れなくなるかもしれません。

その先の道は、どんなものとなりましょうか。

「行かなければならない国」ではなくなりました。

ですが、、、
今後の出会いを楽しみにしています。

2010/02/26