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酒の道、食の道(金城拓)

第13回 築地よいとこ一度はおいで①

「築地のそばに引っ越したんですよ」というと、
「いいですねぇ!実は一度もいったことがないので、
 1度行ってみたいんですよ」
という返事が返ってくることがよくあります。
もちろん会話の相手は都内在住です。

わりと地元の名所と言うのは、いつでも行ける、との思いからか、
逆になかなか行かない人が多いのかもしれません。
私自身、築地に行くようになったのは、30歳になってからでした。

たまたま派遣で神谷町勤務になり、
たまたま暇な現場で、
たまたまおおらかな責任者に当たり、
昼休憩を1時間半取れたため、
好奇心でわざわざ電車に乗って
築地まで行ったのが初めてでした。

日比谷線の築地駅を降りて最初に
目に飛び込んでくるのは築地本願寺です。
普通のお寺を想像していたら、
インド風の建築物が目に入ってきて、
面食らいます。

本願寺を通り過ぎ、横断歩道をひとつ渡ると、
場外市場にたどり着きます。
当時は角地には普通にお店があったのですが、
今ではローソンとジョナサンが出来ていて、
違和感を覚えます。

市場に足を踏み入れると、小さいお店が
たくさん軒を連ねていて、活気があります。
上野のアメ横に似た雰囲気を持っていますが、
アメ横と違うのは、築地のあるお店のほとんどが、
食に関するものだ、ということです。

もちろん一番多いのは、お寿司屋さんと魚屋さん。
そのほか海苔屋さん、昆布屋さん、鰹節屋さん、
豆屋さんや、肉屋さん、パン屋さん、お茶屋さん、
包丁屋さん、玉子焼き屋さん、長靴屋さん、
キムチ屋さんなどなど・・・

意外と知られていないのが、
築地は青果市場もありまして、
八百屋さんも結構あります。
この時期、あちこちの店先に
国産や外国産の松茸がたくさん並んでいます。

2005/10/19