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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第88回 不動産の呪縛1

今現在、立派な住まいを所有している方ほど
「まさかそんな簡単な都合で
今の住居を離れるなんて、考えられない」
となるでしょう。

えぇ、早起きや図書館通いのために
引っ越すなんてキチガイ沙汰ですよねぇ(苦笑)。

私自身も、最初の引越しを思いつくまでは
「ここに住むのが当たり前」ということを
何よりも前提と思って考えていました。
その家に住んで(今思えば)不都合なことも
不都合と感じる感覚は麻痺していて、
あたりまえ、当然と思っていたので、
不満も不便も強く感じていませんでした。

でもたまたま
「なんとなくこのエリア好きじゃない」
という気持ちはうっすらとずっと有って。
誰かに住所を聞かれたときにスッと答えられず
ごにょごにょといい訳めいたことを添えて
答えるクセがついていることに
ある日気がついたのです。

あれ~、私、なんでここに住んでいるんだろう?
理由は?
イヤなのに住み続けて、
いい訳ごにょごにょしてる自分ってかっこ悪いなー。
なんで「ここが好きなの!」と思えるところに
住まないの?なにか阻害する要因ある?

自分が気に入った場所に住んでいないのは
自分がその決断をしていないからだけで
他に何者も邪魔をしていないことに
気がついてしまいました。

気がついたからには、じっとしていられなくて
実行に移した、というわけです。

引っ越して、環境が変わって、
今までよりさまざまなことが
都合よく変わって行くにつれて
「あれ~、いままでって案外不便な中
生きてたんだな~」
とやっと気がついたものでした。

2005/11/19