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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第33回 ところ変われば

一緒に働いていた女性で
電話対応がとてもキレイで穏やかな話し方で、
近くで聞いているだけで心地よくなるような
方がいました。

彼女が電話を切ると
「はぁ〜、いいですね。自分も
そんな電話対応が出来るようになればいいな〜
と思いながら聞き耳立ててますよ」
と伝えました。

彼女はちょっと意外そうな戸惑った顔で

「ありがとうございます。
この会社に入って何人かの方から
同じように言っていただいて、
びっくりしているんです。
そうなんでしょうか、、、、、、。

実は、前の職場では、
『電話対応がオカタイんだよ、
もう少し臨機応変に、
くだけた話し方も出来るようになって。』
とよく注意されていて、、、。
上司の望むような話し方が
なかなか出来なくて、
いつも電話対応が苦手だ、自信が持てない、
と思っていたんです。

それがいま、電話対応でほめてもらうなんて。」

ひとつには、
業界や会社が変われば求められる色合いも
変わってくるということで、
彼女のもともとの持ち味が、
新しい職場にぴったりはまったという事も
あるでしょう。

そしてもうひとつには、
いつも注意されていて、苦手意識があるから、
電話を取るたび緊張してビクビクしていたときと、
上手ですね、うまいですね、とほめられるいまと、
電話が鳴ったときの彼女の気持ちや
発揮できる実力にも違いがあるのだろうと思います。

こんなにも素直な能力がある彼女が
それを生かせなかったときがあったなんて
もったいなかったな、と思います。

2005/09/25