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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第186回 辞めた後に財産になるように

自分が数十人の部下を持つ
上司という立場になるときに
すごくすごく抵抗がありました。

その役職で求められる、仕事・業務はできます。
でも、部下達の管理は自信がありません。
自分の管理でさえもまだ不十分なのですから。

そんな中途半端な状況ながら、
ほかに選択肢もなくて、
周りの人の理解と協力を得ながらの
よちよちスタートでした。

私の部下達は、
私よりも経験豊富なベテランさんもいたし、
まだまだ学生気分の若い人もいました。

自分より優秀な人が何人も部下にいるというのは
ちょっと考えると劣等感いっぱいになりそうですし、
ちゃんとコントロールできるのか、
不安になりそうな思いもありました。

そんな中で、私が長になって、
組織として上手くいく為には
どのようにとらえていたらいいか、
自分なりに考えたポイントが2つあります。


1.自分よりも優秀なプロに安心して
業務を任せられる幸せを認識。
誰にどの業務を任せるのかの采配が私の仕事。
一つ一つの業務が部下より上手くできないことは
今の場合問題ではない(落ち込まないこと!)。
適材適所を見極め、調整する力が長けていることを
見込まれたはずだから、その部分で人後に落ちないこと!

2.スタッフ一人ひとり、ここにいる目的も違い、
人生の中のステージも違う。同じ価値観を押しつけないこと。
組織のため、というのは必ずしもモチベーションにならない。
ここで働いていることが、ここで働いている期間が、
その人にとって後になって役に立つものであるように、
辞めた後に財産になるように、時間を過ごしてもらおう。
あそこで働いたおかげで○○ができるようになった、
○○については自信をもってできるといえる、
という状態に成長した実感を本人が持てるように。
スタッフ本人がここで働く意義を見出せるように。
会社のために働くことが、同時に
自分自身の向上のためであると実感できるように。

2006/02/25