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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第185回 給料袋を受け取るときに

おかげさまで、で思い出したことがあります。

給料袋、いえ、あの、今の時代で言うと
給料明細袋、ですね、を受け取るときです。



私は、これを受け取るとき、
一応両手で受け取り、軽く頭を下げて
ありがとうございます、と言って受け取ります。

言葉には出さないけれど
「今月も、働く環境を提供してくださって、
至らない私をご支援くださって、
おかげさまで無事相勤めることができました。
ありがたく、ちょうだいします。
また、今後ともよろしくご指導ご鞭撻ください。」
という気持ちをこめて、です。

袋を渡してくれる人は、誰であろうと
給料支払い者(たいてい社長)の代理人です。

お給料を今月も無事いただけることで、
私の生活が成り立っているのです。

あの、一瞬の目礼に
そういう意味をこめているつもりです。
幸いにも上司には気持ちが伝わっているようです。



逆に、自分が上司で、
部下に給料明細袋を渡していたときにも
「今月も活躍してくれてありがとう。
あなたの貢献のおかげで、助かっていますよ。」
という気持ちをこめて、
一人ひとりに手渡していました。

受け取る側はまちまちで
やはり両手で目礼しながら受け取る人もいる一方、
中には片手でひょいっと受ける人もいるし、
あぁ、そこに置いておいてください、
と放置の人もいます。



育ってきた環境も違うし、
物事の考え方も人それぞれでいいと思うし、
自分のやり方が
必ずしも正しいと主張するつもりはありません。

もちろん、こういうのは例えば上司が
「キミ、キミ、こういうものはこういう風に
受け取るものだよ」なんて
指導する筋合いのものではないですね。

ただ、「ふーん、キミってそういう人なんだ」
と思われるだけです。良くも悪くも。

私が、両手で目礼して受け取るのを見て
何か感じることがあったのか、
同じように受け取るようになった子もいます。

「くすっ。おっかしーい。
なにかしこまって頭下げてるんですか?
そこにお金入ってるわけでもないし、
部長に頭下げてもしょうがないのに(笑)」
と笑った子もいます。

私は勝手に、心の中で
(親御さんが働くことやお金を得ることの尊さを
教えることのない家庭だったのかな)とか
(それにしても二十歳過ぎれば、
自分の言動&心の有り様は、本人の責任よね)とか
自分の物差しでその人を計ろうとしてしまうことも、
正直、ありますね。

2006/02/24