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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第184回 おかげさまで

物事の見方が変わって、
感謝ベースでとらえらるようになった影響は
いまでも日々の中で実感します。

例えば、
仕事で厄介なお客様にあたったりする、
理屈が通じないし、都合のいい要求してくるし、
言うことがコロコロ変わって、
ご自身で矛盾しているのに、
一体どうやって対処すればいいっていうの、
めんどくさい!!
っていうケースです。

それまでの私だったら、
お客様の前ではなんとか取り繕っても
あとで同僚などに
「ほんと、やってられないよねー。
もう、話通じないんだもん!!」
などと愚痴ったり、
飲みに行って気分を変えたり、
という感じでした。
それが、普通だと思ってた。

でも、今はちょっと違う風に思います。

たしかに、お客様の8割なり9割なり
時には7割なり……大多数は
話のわかる普通の方たちです。
話の通じない変わった方は少数派です。
その少数派に対処するのはちょっぴり骨が折れます。

でもね、その少数派(話の通じない変わった方)にも
ちゃんと対応できる要員として、
自分が存在しているんだろうな、と思うのです。

話のわかる、手間のかからない、
大多数のお客様に対応するだけなら、
昨日雇ったアルバイトさんだって対応できます。
そして、アルバイトさんのほうが、
私より断然人件費安いのです。

アルバイトさんでもできることを私がやっていたら
私存在価値ないですよ、クビにしたほうが会社のため。

でも、ちょっと厄介な骨の折れるお客様の対処は
経験の浅い人、権限の少ない人では手に余るから、
そういう人をも上手く対処するための
特殊任務要員として(相対的に)高い人件費
割り当てられているんじゃないかな……と思うので
「あ、ありがたい、やっと出番が来た」
「こういう方いないと、私存在価値ないもんね」
「こういう方のおかげで、私仕事ができるんだ」
と思えたりします。

そして、お客様の要望と会社としての尊厳と
上手く折り合いのつくところで片付けられると、
それなりに充実感や達成感もありますし、
「あたりまえの仕事、ただするべきことをしただけだ」
という平常心も保てます。

まちがっても愚痴るとか不満を漏らすとか
飲んで発散するとか
そういう発想にはつながりません。

おかげさまで、今日も無事お仕事ができました、
ありがとうございます、の気持ちです。

2006/02/23