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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第16回 守・破・離

好きな言葉の一つに「守・破・離」があります。
まず基本を守ってごらん、
まず先人の知恵を踏んでごらん、
そこから、徐々に自由に応用が効くようになるよ、
という優しい知恵だと受け止めています。

例えば、
営業の人はたいてい「○○話法」とか「トーク例」とか
いうものを研修させられてきたことと思います。
こういわれたらこう切り返す、
こういう客にはこういう、という例で、
実際その通り目の前の客にい言ってうまくいくか
というと、なかなかそうもいかないものです。

でも、それらの話法や例はぜったいに
過去に実際にお客様の心に響いて、
商談が成立した成功例なのです。
成功例を知らない新人が、そういうものを
自分ひとりで習得するのは時間も体力も気力も
かかりすぎてロスが多いので、
先人達が成功した例を学ぶのは当然のことです。

それすらも
「しらじらしくて、その通りにやってもうまく行かないから」
「いわれたとおりにやってもうまく行かなかったから」
とおざなりにしていては、
自分自身で成功例を作り出していくのに、遠回りでは?
応用が利くようになるのに、時間がかかりすぎるのでは?
と思います。

営業は、お客様の心を動かして、
お財布を開かせなきゃいけません。
習った話法でも、オリジナルのセリフでも、
もっといえば言葉なしでも、
お客様の心を動かして財布を開かせることが
出来ればいいんです。

でも、習った話法すら、
必要に応じて使えるようにならない人が、
そういうことが自力でできるようになるのかな?

研修を受けたり、教えてもらったときくらい、
それをしっかり踏まえて
「守」を大切にするといいのにな、とおもいます。

なにか、いいと思うことをしている人がいたら、
まず真似してみて、その人のやり方を踏襲した先に、
自分なりにアレンジできる自由な世界が
広がっているのかなと、この言葉を見るたびに思います。

2005/09/08