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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第12回 身近な接客のプロ

同じころに、やはり近所のおばさんと食堂に行きました。
「近所」というのは東京の下町で、先のA氏B氏も含め、
見渡す限り商売人だらけの町です。

食堂で注文の品を決め、ウェイトレスさんを呼ぶも
「少々お待ちください」といったまま、なかなか来ない。
子供が見ても、店が混んでいて、手が足りないことがわかります。

待ちがてら、近所のおばさんが話しかけてくれたこと。

「啓ちゃんね、同じ場面でも
『はい、只今参ります』というと、感じ方が違うのよね。

見れば、忙しいことはわかるのだから、
ほかの事を放り出してここに来いとは誰も思わない。

でも
『はい、只今!』といわれたら
(只今すぐにうかがいたい、
この用事がすんだらすぐに行きますね)と聞こえるし、
『お待ちください!』といわれたら
(いま他の用事で手がいっぱいなの、
あなたにまで手が回らないの、待っててよ)と聞こえる。

受け取るお客様の気持ちが変わってくるでしょう。
ちょっと使う言葉一つでも、
うっかりするともったないわよね。」

へぇ、そういう心遣いって、ちょっとしたことだけど
けっこう大事かもしれないなぁ、、、と耳を傾けながら、
ハヤシライスをぱくついたことでした。

こういう心遣いが重ねられる人は
接客のプロだなぁ、と今は思います。

2005/09/04