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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第106回 難しいことを易しく

後輩の育成や、顧客への商品説明の時、
よく上司からアドバイスされていたのが
「難しいことを、わかりやすく説明できるのが、
いちばんりっぱなんだよ。
難しいことを難しく言うのは、誰でもできる。
難しいことをわかりやすく噛み砕いて、
簡単に伝えることができるのは、
案外誰にでもできることじゃないんだ。」
ということです。

後輩の指導だったら、マニュアルや就業規則に、
商品説明だったら、パンフレットや契約書に、
細かいことは全部書いてあります。

それらを、読んで、理解して、実行できるなら
問題ないのですが、
そんなことを苦もなく完璧にこなせる人なんて
めったにいないですよね。

自分だって何度も何度も言い聞かされて
ようやっと何とか身についてきたのですから、
そういう人が普通だと思えるのです。

対人の場合、
せっかく人間の口を使って伝えるのだから、
文書と同じような硬い言葉を使って
表現することはないのです。

漢語よりも和語を使ったほうが
わかりやすいかもしれない。
(「起立する」「立ち上がる」耳で聞いたら
後者のほうがわかりやすい?)

身振りや表情も重要な要素ですし、
具体例やたとえ話を入れたほうが
わかりやすいかもしれない。

相手の反応を見ながら、
話す内容をかえることができるのも
文書ではなくて人が直接話すメリットですよね。

「難しいことを、
わかりやすく噛み砕いて伝える」が、
できるといいな、と思います。

2005/12/07