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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)
第9回 チャンス
アメリカ留学からにわかに香港へ転職することに方向転換したのは、
まったく節操がないように見えますね。
でも、「働きすぎで、疲れ果てていて、しばらくボーっとしたい。」
「かといって、何もやることがなければ、張りがなくて弛緩する一方なので、
何かするべきことがあるといいな。」「海外生活してみたいな」
とおもっていたわたしには、うってつけの話だったのです。
来て、と望まれていくこと。
人手が足りなくて困っている会社の役に立つこと。
その会社の企業理念や目指す姿も共感できて、違和感がない。
求められている役割も、自分には無理せずできると思えました。
任期はいちおう、頼りになる人材が育つまでの期間限定で。
もちろん、長年留学したい思いを抱えていたので、
いまだにその夢は消えていません。
でも、留学は(いきたいと思えば)任期を終えてからでも、
いつでも行くことができます、留学は逃げません。
一方、この仕事は、今人がいないから今来てほしい、
ということで、何年後か、自分が都合のいいときに行こうとしても
タイミングを逃してしまいます。
海外で仕事をするチャンスが、向こうから飛び込んでくるなんて、
そうめったにあることではないので、
このチャンスを生かすことにしたわけです。
退職時に「憧れのアメリカ留学」か「求めてくれる会社に海外転職」か、
といわば贅沢な選択肢を手にしたのは、
「前職で一生懸命一途に仕事をしたこと」
「それを見ていてくれた人がいること」
そして「収入がなくても当分やっていけるだけの貯えがあったこと」が、
大きな要素だったのではないかと、自分では思っています。
2005/09/01