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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第7回 香港

(香港から)って書いてあるのに、香港の話でてこないじゃない?
はい、すみません。私は香港に住んでいます。香港で働いています。
コラムを書く前も、何人かの方から、
「香港について書くんでしょ?」「香港情報楽しみにしてますよ」と
声をかけていただきました。

でもでも、自分の内側に問い合わせてみると、
「香港・・・・・・?オフィスとベッドがある場所」というほど
の答えしか出てきません。
日系企業に勤め、同僚も顧客もぜーんぶ日本人。
現地の言葉(広東語)もできず、
香港の文化・風習に親しく触れる機会もない。

たしかに家から一歩出れば、日本で暮らしていたときと
違うものを見聞する機会があるけれど、
この程度の見聞で、連載コラムを書き続けられるか、、、、、、?

香港人と結婚した人や、香港人とビジネスでやりあっている人、
香港が大好きで大好きで大好きな香港に住めて幸せ噛みしめている人、
などなどがいっぱいいる中で、
たまたま仕事の都合で来てしまったに過ぎないエトランゼの私が、
いったい何ほどのことを書けるのか?

香港好きです、住んでみたらいいところです、
でもだからと言って、「香港」をテーマに書くほどの強い思い入れは、
今の私にはありません。

そして香港と自分のかかわりについて考えれば考えるほど、
香港に私を連れてきたもの=職業上の理由、というのが強く意識されます。
誰一人知り合いもいない、見も知らないところに単身移住してきたのは、
ひとえにここで仕事をするためです。仕事上の理由がなければ、
香港に住むこともなかったと思います。そんなことを考えて、
私にとっては「香港」より「仕事」が重要なテーマだと、思い定めたわけです。

2005/08/30