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小さなビジネスパーソンの小さな話(門間啓)

第2回 代わりのない人になりたい

初めてのアルバイトは某ファーストフード店で。
社会で働くのが初めてだった私は、
「シフト」 「接客七大用語」 「5分前イン」などの
用語も面白かったし、いつ出勤しても
「おはようございます」なのも不思議で
目を白黒させる毎日でした。

そんなこんなで徐々に仕事を覚えてくると、
ちょっと余裕ができてきて、スムーズに動けて、
「門間さんがいてくれて助かったよ」と言ってもらえて、
すっかり一人前になった、いや、
二人前くらい働いているような気になったものでした。

ところが、
「どーしてもスタッフが足りないから、来て」
と頼まれた日に、所用で行くことができなくて、
気になっていたところ、
たまたま店の前を通りかかったので
「さぞやみんな困っているだろう」とのぞいてみると・・・・・・
別に何にも困っていなくて、和やかに談笑さえ
していたのです。ごくごく普通のことかもしれません。
でも「自分がいないと困るだろう」と思っていた
私の目の前に「あなたいなくても困らないよ。
代わりの人がいるもの」と突きつけられたようで、
ガーン、、、ショックでした。

見回せば、たしかに世の中の仕事の少なからぬ部分が
「歯車の一部」 「代わりの人がとってかわれるもの」
だということができそうです。
じゃあ、いったいどんな仕事なら、
「私」を必要としてもらえるのだろうか、
「私」でなくてはできないことってなんだろうか、
と問いかけながら、社会を見回すようになりました。

2005/08/22