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初めてのアジアビジネス(ジェームス)

第2回 土足で無差別に入り込んでくる

最近のように、不景気だとか経済状況が悪化しているというマスコミのニュースや、
企業の発表に晒されると、 自動的に「嫌な感じ・暗い気持ち・不透明感・焦り・
どんよりとした重苦しい・・・」といった感情をお持ちの方が多いのではないかと想像
します。そういった感情を自動的に持たされてしまうケースも多いと思います。

私が日本に居たら、きっと同様の感情を持ってしまうのではと思います。私は幸い
なことに、日本のTVや新聞が見れる環境におりませんので、あえてそれを利用し
て、なるべく見ないようにしています。自動的に情報が無差別に新入してくること
を随分カットできています。

私は、こういった現実・事実にどう向き合って、どう捉えるかということが大切では
ないかと思います。こういった事から目を背けるというわけではないですが、焦点
をどこにあわせるかが非常に重要ではないかと思います。つまり、自分が何を
選択するか。どういった気持を選択するか。

よく例に出されるのが、コップに水が半分ある状態を見て、
「もう半分しか水がなくなっている・・・どうしよう、不安だ、怖い・・」と思うか、
「まだ半分も水が残っている・・・まだ大丈夫、安心だ・・・・」と思うか。事実は一つ
ですが、どちらを選ぶかは、人によって異なるし、この感じ方を選ぶのは自由です。

確かに、日本は、どんよりした雰囲気に覆われていると、海外にいらっしゃる経営
者の方のお話もよく聞きます。私もそう思います。中国やベトナムや他のアジア
各地では感じない閉塞感というか、暗い不安な気持を感じさせられます。

こういった雰囲気に包まれないようにするのは、結構なパワーが要ります。イチロー
も言っていましたが、
「秘けつは)クラブハウスから早く出て行くこと。マイナスの空気っていうのはどう
しても皮膚から入ってくる。悪い方に流れることだけは絶対にしないという信念を
持ってやっている。これまでよりも、もっと僕の世界をクラブハウスの中でつくり
上げた」

どういった状況や環境の中であっても、自分でコントロールできることはあるわけ
で、それに集中することが大切なのだと思います。楽しい気分になろうと思えば、
いつでもなれるのだと思います。左脳で論理的に考えれば、「そんなの不可能だ。
難しい。」と思われるかもしれませんが。右脳で考えれば、出来るような気がします。

それでも、どうしても無理だという方。過去の私自身もそいうった考えの一人
でしたが。そういう方は、邱永漢先生や大前研一先が何度もご指摘されているよう
に、思い切って海外に出て仕事や生活されるのも現実的な選択肢の一つになるの
ではないかと思います。日本と異なる環境に身をおくことで、考え方や態度も日本
国内でのものとは変化させる事ができるのかもしれません。環境を変えることで、
自分の考え方を変えるように持っていく。

結論として、どんな時代にあっても、どんな場所にいても、日々の暮らしの中で、
「自らが望む気持を選択して、その気になる」ように、選択することが可能なん
じゃないかと、最近思います。 日本にいようが海外にいようが、自分の感情を
コントロールすること。これは最も大切な要素の一つであると実感しています。
海外に行かれる前から、準備できることの一つだと思います。情報が氾濫しています。
自ら進んで、積極的に取捨選択する能力が、問われているのだと思います。

2009/01/14