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夫は日本、私は上海(伊勢利子)

第49回 孤独で気が狂いそう・・・

出発前は、夫のことが心配で、心配で
頭の中から離れなかった私。

しかし、しかしですよ・・・
それ以上に大変なことが目の前に迫ってくると
いとも簡単に、夫のことは、頭の中からすっかり
消え去っていました。

やはり、人間って動物なんだな~というのをつくづく実感。
生命の危機、身の安全などが脅かされるような
環境に身をさらすと・・・

とにかく新しい環境に適応しようと、
潜在能力が、どどっと湧き出てくるのです。

まず、上海の空港に一人降り立った次の瞬間から、
その日の寝る場所にたどり着くため、
五感を研ぎ澄まして、全力投球!

悲しいかな。。。まったく中国語ゼロですから、トホホ・・・
まずは、自力で上海交通大学の寮にたどり着いてから
1~2ヶ月間が、まさに私と中国(環境)との戦いでした。

特に、体調管理がいちばん需要!
食べ物が激変するのです。
でも、それらは正露丸をがぶ飲みして
なんとかクリアー。

しかし、まったく想定外の問題が。。。浮上。
これにはほとほと参りました。

それはというと、「孤独との戦い」
生まれてこのかた一人暮らしの経験なし。
私にとっては、いちば~んしんどかった戦いでした。

24時間、自分の時間。周りには1700万人もの
人がうごめいているのに、私を知る人はゼロ!
これは、かなりこたえましたよ~。

特に夕暮れ時。主婦のいちばん忙しい時間。
いつもなら夕食の買い物をして、
急いで家に帰らなければならなかったのに。。。

突然、24時間好きにしていいよ!
と右も左もわからないところで
ほっぽり出されたってわけです。

たった一つ救いだったのは。。。。
うるさい、うるさい寮でも、
夜になると疲れきってちゃんと寝られたこと!

朝になって、お日様の顔を見ると、
少し元気になっていたのです。

次回は最終回です。

2007/08/03