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夫は日本、私は上海(伊勢利子)

第26回 ニュージーランドからの留学生

(財)AFS日本協会に受け入れを希望します!
と伝えて、待つこと数ヶ月。翌年の3月半ばには
ニュージーランドから17歳の男の子(愛称;Don)が
我が家にやってきました。

期待と不安で家族みんなが、どきどき・わくわくしながら、
駅へ出迎えにいったときのことは、いまでもはっきり覚えています。
Donが着ていた服や、我が家の玄関に
その日のために飾ったチューリップの色までも・・・

もちろん、留学生のほうは、もっと、どきどき・わくわく・・・
だって、1年間いっしょに暮らすのですから・・・
それは期待と不安で心臓が張り裂けそうだったでしょう。

さて、迎え入れるほうでも準備は
いろいろしなければなりませんでした。

1年間、ただ遊んで暮らすわけではありません。
地元の公立高校へちゃんと通学します。

私たち夫婦も3段飛びくらいで、高校生の親になるのです。
未経験の世界!さっそく、高校へ出向き
高校生活に必要なものをチェック!

まずは、お古の制服や体操着など・・・
読めそうもない教科書なども、とりあえず揃えます。

高校の授業を受けるといっても、一に忍耐、二に忍耐。
最初は、ただ、ただ座っているだけなのですが・・・
でも、まずは形から?さあっ!ここに茶髪の高校生誕生です!
茶髪禁止!なんて高校もいってられないのですが・・・

ことばもわからない、食習慣も違う・・・
それは、それはDonにとっても壮絶な戦いです!!

最初の1~2ヶ月間は、日本にいるだけでも
とても疲れるのです。それにもまして日本のやり方を
押し付けられたら、たまったものではありませんね!

相手の立場を思いやって・・・想像力を働かして・・・
な~んていっても、知らない世界のことは想像すらもできないのですよ。
こんなことが理解できるまでにも、そうとう時間がかかりました。

毎日、毎日が異文化交流ではなくて
異文化摩擦の連続ドラマ!

今から思えば、家族が一致団結して問題に取り組み、
苦労したぶん大~きく成長した、
二度とないとても意義のある一年間でした。

次回は、その連続ドラマの一部を紹介します!

2007/02/03