戸田ゼミ通信アーカイブ トップページ >> 夫は日本、私は上海(伊勢利子)

夫は日本、私は上海(伊勢利子)

第19回 救命胴衣なしで出発!

いまではあたりまえになったネットで検索、
メールを送信なんていうわけには
とてもいかないその当時の状況でした。

カナダのキャンプ主催者とコミュニケーションをとるのは
いつも一苦労!時差もあり、電話する時間をねらい定めては
うっかり忘れてしまう・・・なんてことはしょっちゅうでした。

また、送られてきた記入しなければならない書類や、
持ち物の準備、渡航手続きなど、それは、それはやっかいでした。
遠足にいくかのように「自分のことは自分で準備しなさいね!」
というわけにはいかないでしょう?

たとえば、英語で書かれた健康調査書が必要です。
もちろん、そうでしょうね?小さい子どもを一ヶ月も
預かるのですから・・・持病や予防接種の状況など
命に関わるどうしても必要な情報です。

その他、いちばん意味不明で苦労したのは
子どもに日本から持参させるモノでした。

まず、着替えはすべて1週間分必要、ジャンパー
水着、体操服、リュック、食器など・・・
あと、洗濯物を入れる大きな袋、寝袋、薬、爪きり
和英辞書、救命胴衣など・・・
すべて二人分準備しなければなりません。

HPで開催場所やキャンプのようすが事前にわかれば
準備するモノもいくらか想像できるのですが、
持ち物リストの英文を見ても、いつ、どのように使うのか
まったくわからず、もう、けっこういい加減に選ぶしかありませんでした。

結局、救命胴衣だけは、カナダ側の指示しているものが
最後まで見つからず、時間切れということで
救命胴衣なし!で出発してしまいました!

「えっ!これが、いちばん大事とちゃうの??」
食器や着替えよりも・・・
といま考えればそう思うのですが・・・
ほんとっ!どこまでも、のんきな両親でした!

「ねぇ~夏休みの宿題はどうするの?」と
子どもは真っ青な顔をして、とっても心配しています。

私は小学校の二人の担任の先生にかけ合って、
カナダ出発のため、少し早めに夏休みにしてもらうこと、
そして、夏休みの宿題はすべて免除!
ということで無理やり了解を取りました。

そのかわり、キャンプのようすを絵日記にして
報告することになったような気がします・・・

なんという親なんだろう???って、あきれた顔をして
先生が私をじーっと見つめていました。

このあと、娘の中学校の担任の先生は
この親のために、もっとあきれかえることになるのです。

2006/12/17