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夫は日本、私は上海(伊勢利子)

第13回 大変!根無し草になる?

私が参考にした意見を二つ紹介します。
まず、東京にあるカナダ大使館の
教育担当官のアドバイス。

最初は、カナダに良い全寮制の小・中学校がないかと
電話で聞こうと思っていました。

余談になりますが、1980年代はインターネット
なんてすばらしいツールはもちろんありません。
ただ、ただ、電話・FAX・郵送しかなかったのです。

だから海外の情報を集めるのには
ほんとに一苦労!それに時間がすごくかかり
なんと、まどろっこしいこと!

さて、私のしつこい電話攻勢にもめげず
ご自身の知識や経験から湧き出てくる
しっかりとした考えをいろいろ聞かせてくださいました。

いまから思えば、我が家の子どもたちの人生に
とても、とても大きな影響を与えてくださった方ですね。

「まず、どのことばと文化で人生を生きていくか
ということを考えてあげないとだめです」

「人間は、一つの言語を母語としてマスターし、それを基本として
あるいはアイデンティティーとして生きていかないと
根無し草のようになってしまいます」

「たとえていうなら、大学入試の小論文をどの言語で理論的に
書けるかということです!自分が自信をもって
自分の思いを表現できる言語をまず確立するのが先決です」

「日本語も中途半端、英語も中途半端ではだめ!
ことばは文化です。研究の結果、母語をある程度
確立するには、13歳くらいまでは、一つのことばで教育を
受けたほうがいい。13歳まで日本にいれば、もう日本語は母語として
確立するので忘れることもないだろうし、間違ってしゃべることもないだろう」

なんと!含蓄のあるご意見でしょうか!
もう、私は目からウロコどころではなく
ありがたいお言葉として、感心しきって
電話口で聞き入っていました。
そして、最後には心から彼女の意見に賛同しました。

そうか!わが娘は日本人なんだ!
13歳までは日本語で教育し、日本で生活するのがベストなんだ!!

13歳っというと???中学1年生か2年生・・・・
フムフム・・・ということは、我が家には
まだ、もう少し作戦を考える時間の余裕があるわけか・・・

娘が13歳になるまで・・・
もうしばらくは落ちついて日本で子育てするかな!

さあ、いらんことばかり考えてないで
石川県は自然がいっぱい!夏は海水浴や山でキャンプ
冬はスキーと家族で思いっきり自然を満喫することに専念しましょっ!

2006/11/04