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愛と情熱のファイナンシャル・プランニング(伊佐笑子)

第13回 増殖するカネゴンたち

私はあまり知らなかったのだが
世の中には「ヒトのお金」を
あてにしている人がたくさんいることを知った。

ここでいう「ヒト」とは
親や親戚から、恋人や赤の他人まで千差万別だ。

とある友人は夫の叔父の財産を狙っている。
とある人は、おねだり専用の恋人を持っている。
とある人は、お金持ちご夫人のご機嫌を伺っている。
とある人は、お金のために結婚して離婚した。

みんな下心丸見えなのに、
狙われている当人たちはのんきなもので
狙われていることに気づいているのかいないのか。

別にどうでもいいようなことだが、
人の財布ばかりあてにして生きている人たちのことを
私は最近、「カネゴン」と名付けた。

人から好かれるのも能力、と考えれば
カネゴンはそれなりに評価するべきかもしれないが
たいがいのカネゴンはしたたかで、かわいげがない。
え?お前はカネゴンには狙われんだろうって?
ええ。仰せの通りでございます。
しかし、カネゴンどもは
すきあらば誰にでもたかろうとしていたり
ほんのちょっとの隙間に
コッソリと入り込んでくるのだ。
つまり、こういうことだ。
自分はお金持ちじゃないし、取られるお金だって
ありゃしない、と安心していると
いつのまにか小額のお金から始まって
気づくと結構な大金を出すハメになっていたりする。
借金という明快な形ではなく、
ちょっと銀行に行く暇がなかったから、とか
そんな軽い理由からはじまる場合も。

そして、カネゴンたちの専らの話題は、「お金」だ。
だれだれの家は株で大儲けしたらしい。
誰さんは、○億円も赤十字に寄付したんだって!

ああ!「お金のことを話題にするのは
はしたないこと」とされていた
あの頃よ、ちょいと戻ってきませんか?

どこの誰が金儲けしようと、
寄付しようと、その人の勝手でしょうが!

それでも、そんなカネゴンたちも
それだけお金に執着していると
結果的にお金に恵まれる(あくまでも他力本願だが)
ことになっている場合もある。

そんな人生もあるんだなぁと
他人事のように考えていてふと立ち止まった。

夫の給料でメシを食っているお前さんも、
「カネゴン」なんじゃないのかね?

どこからともなく、そんな声が聞こえたような
聞こえないような。 キャー。

2007/10/16