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愛と情熱のファイナンシャル・プランニング(伊佐笑子)

第7回 自然にお金が貯まるコツ

最近よく雑誌などでみかけますが、
「節約はこうするべし」といった類のものは
ほとんどが、ようするに
「固定費の削減」をうたっています。

固定費とは、
毎月同じ金額だけ支払わなければならないもの。
或いは、モノの維持費なんかのことです。
家賃やマンションなら管理費、車庫代、
ガソリン代、生命保険料、なんかが代表例。

お金を貯めたい人は、つまりは
猫の額以下の家に住み、車も持たず、保険も掛け捨ての
最小限のものにして、水道代がかかるから、
湯船にもあまりつからないことにしましょう。

・・・そういう生活のこと・・・。

寂しいですねぇ・・・。
なんのために生きているのか、働いているのか、
わからなくなりますねぇ。

さらにこの節約がいつまで続けばいいの?
と、思いませんか?

雑誌には、実際に「これだけ浮きます」って
年間節約額が書いてあり、
車を持たなければ、これだけタクシーに乗れます、
みたいな試算もしてありました。

お言葉ですが、節約生活している人は、
タクシーに乗ろうとは思いませんね。
特に鉄道の整備された東京では。
逆に、田舎に住めば、車がないと
まともな生活ができません。

しかも、固定費の削減をすればするほど
なんだか生活に潤いがなくなり、
心の中に木枯らしが吹くような
毎日になると思いませんか?
それで、ストレスがたまって
違うところでお金を使ってしまう・・・
なんてことに陥ったりして。

私は、その心の満足を獲得するために
固定費の中でひとつは節約魂を
解除したらどうかと思っています。

例えば、家。
快適な空間が一日の疲れを取ってくれる
役割を果たすなら、
それは相当な心の満足につながるはずです。
明日への活力になるはずです。
他の節約も、それほど気分が滅入らないでしょう。

でもそれは他人の目を気にした判断ではいけません。
つまり、「この家買ったら、近所でも
かっこいいだろうな」とか、
「この車で街を走って、○○さんを羨ましがらせたい」
というような、「他人基準」は
全く無意味です。
人はあなたのローンを払ってくれるわけではありません。

自分の快適度は、自分で感じるものです。
単なる見栄では快適度は時とともに薄れるでしょう。

固定費の中で、ひとつだけ自分を解放してみてください。
もしかしたら知らないうちに節約している自分を
見つけられるかもしれません。

2007/07/25