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華南で働く(大道寺健)

第21回 中国人は向上意欲が旺盛?

全ての中国人において向上意欲が旺盛かと問われれば
疑問符がつきますが、大部分の人はとても向上意欲、
学習意欲が旺盛であり、貪欲です。この点については、
私も常日頃から感心し、見習わなければと思っています。

特に、オフィスワークを行ういわゆるホワイトワーカーに、
この動きは強く見られます。私が今勤めている工場の
事務スタッフたちの多くが日本語を学んでいます。

また以前勤めいていた会計事務所のスタッフには、就業後、
大学に通って勉強しているスタッフもいましたし、
その他のスタッフも何かしら資格取得に向けて勉強していました。

では、なぜ中国人はここまで向上意欲が旺盛なのでしょうか?

中国は人口が多いことから誰でも行える単純作業は競争が
非常に激しいです。競争が激しいと言うことは、会社にとって有利で、
給料は基本的にあがりません。変わりはすぐいますから。
そのような不毛な競争から脱して、自らの職場での地位を
安定化させ且つ給料UPを狙う為に向上意欲、学習意欲が
旺盛なんだと私は思います。

仮に資格を取得することができれば、それを武器に給料UPの
交渉ができますし、現在の給料が自分の考える給与に
そぐわない場合は、それに見合う給料をくれる会社に転職します。

例えば、中国で公認会計士の資格を持っている人たちの給与相場は、
華南地区で月額6,000元(84,000JPY、1元=14円)前後だと
思われますが、彼らが、日本語を話せるとすれば、
2,000元前後は要求金額が上昇するはずです。

ただ、華南地区ではまだ公認会計士資格を有し、
且つ日本語を話せる人材に出会ったことはありませんが、
日本語人材の豊富な上海の場合、同条件で1万元を超える
給料をもらっている中国人もいるようです。

このことは、何も公認会計士と言った特別な資格を持った
人だからと言う訳でなく、給料が2,000元位の一般社員でも、
日本語を身につければ、500元、1,000元上がることは
夢ではありません。

500元、1,000元と言っても日本に住む人たちは、
ピンと来ないでしょうが、こちらに住む者の感覚から言えば、
500元、1,000元上がると言うことは、日本円で5万、
10万上がるような感覚です。

このように、今日も多くの中国人が仕事に学習に励んでいます。

2006/03/13