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華南で働く(大道寺健)

第13回 就職活動記 9

面接に引き続いて、食事に誘われ面談を終えましたが、
数日後、C社の所長から正式に雇用すると言う連絡がありました。

一方で、この面接の前に、思いも寄らないことに
雰囲気の良くなかったB社から連絡があり、条件に合う会社が
見つかったので、履歴書等を先方の会社に
送付しても良いかと言う連絡がありました。しかし、この時は、
既に上記の面接が決まっており感触も良かったので、
即座にお断りしました。

今まで8回に渡って、私の就職活動記を書いてきましたが、
皆さんどのような感想を持たれたでしょうか。

2002年10月末に、「ニーハオ、シェシェ」しかしゃべれない状態で
中国に渡り、約3ヵ月後の2003年2月半ばには、就職先が
決まったので、私としては、まずまずうまくいったのかなと思っています。

今回の就職活動を自分で振り返り、思うに一番の転機は、
A社へコンサルティングを受けに行ったことだと思っています。
A社へコンサルティングを受けに行った時期は、中国に来て
1ヶ月が過ぎた頃で、中国語もほとんど話せない状態でした。
基本的に中国で職を探すには、中国語を話せることが
必須ですがこのような状況でもコンサルティングを
受けに行ったことは、とても有意義でした。

私は、当時の自分が置かれている状況を確認する為、
コンサルティングに行きました。自分が望む職種があるのか、
給与額の相場はどれくらいになるのか、そもそも私の経歴で
職を得られることができるのかと言ったことを聞くために行きました。
そして、このコンサルティングで自分が置かれた状況を
確認することができとても意義深いものとなりました。

思うに、迷ったときほど自分の位置を確認することが
必要なのではないでしょうか。例えば、車を運転していて
道に迷ったとき、当てずっぽうで運転していては、
時間を浪費するばかりか、目的地から遠ざかることに
なりかねません。道に迷ったときは、まず自分が
どこにいるのかを確かめる必要があると思います。

確かに、私もこのコンサルティングを受けに行く上で、
私のような能力、経験で中国で仕事を探すことは難しいとか、
あなたが望むような業務は見つからない等を
言われるかもしれないと言う恐怖感は持っていました。

しかし、生きていく上で、自分の進路について迷ったとき、
自分がどこに立っているのか、どのような能力を持っているのか、
どのような人とのつながりがあるのか等々、
自らの棚卸を行うことが折に触れて必要なのではないかと思います。

確かに、自らの棚卸を行うことは、自分の能力、状況を
確認することになるので苦痛を伴います。自分の経験、能力に
ついて適時棚卸すれば、突然リストラされると言うようなことは
少なくなるのではないでしょうか。

もう一点、コンサルティングを受けて良かったことがありました。
このコンサルティングを受けて、自分の状況をはっきりと認識でき、
自分が行うべき課題もわかったのですが、その課題の
最たるものは、中国語のレベルアップでした。
コンサルティングを受ける前からも中国語の勉強は、
行っていましたがただ闇雲に行うより、中国語のレベルアップが
将来どのような効果をもたらすかを認識して勉強する方が
明らかに有効であることは言うまでもありません。

この時の就職活動において、コンサルティングを受けたことは
このように大きな転機になったと思っています。

一方、反省点と言うか、もう少し考慮しても良かったという点としては、
他の会社も見れば良かったという点があります。ただ、
当時の私は、金銭的事情から一刻も早く就職することが
必要であったので、当時の私の行動を振り返っても、
ベストな選択ではなかったかもしれませんが、
間違ってもいなかったと思っています。

今まで9回に渡って、私の就職活動を書いてきました。
このようにして、私は就職先を探し、中国で初めて働くことになりました。

2006/01/14