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華南で働く(大道寺健)

第6回 私の就職観

前回まで3回に渡って、私の就職活動を記してきましたが、
今回は、私の就職観、労働観について記したいと思います。

私は、今までに2度の転職を行い、今の会社は3社目です。
私の父や伯父等、身近な人は学校を卒業して、
入社し退職するまで、一つの会社で働いてきた人たちですので、
私の頭の片隅に、ひとつの会社で退職まで勤め上げると言う
意識は常にありました。また、数十年も同じ会社で働くと言う事は、
本当に敬服に値する事だと自分ができなかった事だけに
痛切に感じます。

しかし、私は2度の転職を行ったので、生涯一つの会社で
働くと言うレールからは外れました。会社の名前で生きていく、
会社にぶら下がって生きていくという選択肢は無くなりました。
その為、会社に寄りかかることなく、自らの名前で
生きていかなければならないと言う事を常に意識しています。

自らの名前で生きていくには、どうすればよいのか?

私は、自らの価値、社会的な価値を高める事だと思っています。
つまり、自分を商品として見た場合、買い手が多くつくように、
すぐ売れるように、加えて高く売れるようにする事です。
簡単に言えば、今、勤めている会社が倒産したとしても、
すぐに次の就職先が決まるような人材だと思っています。

また、上記のような事を可能にするためには、
日頃の情報収集も欠かせません。私は、就職斡旋会社が
発行する求人募集のメールを取っていますし、またリクナビや
毎日コミュニケーションのホームページを定期的に見て、
今の求人動向がどうなっているかを常にチェックしています。

ちなみに、現在の華南での求人状況について、
ソフトウェア関連、金型技術者等の技術者については
引き続き需要が旺盛なようですが、1、2年位前から目立って
営業の求人が増えてきました。今、職種的には営業の募集が
一番多いのではないでしょうか。これは、中国を生産拠点から、
販売拠点としての位置づけが変わっている事を示す
一例ではないかと思います。

そして、今は金銭的に逼迫していることはないので、
じっくりと上記のような事を考えることができますが、このコラムで
連載している就職活動記の頃は、一刻も早く仕事を見つけて収入を
得なければならない状況でした。ただ、当時も自分の価値を
高めなければならないと言うことは、考えていました。

よって、迅速に職を得なければならない状況でしたが、
どのような職種でも良いからすぐに働きたいと考えていた訳ではなく、
自らの将来性も考えて、絶対に経理関連で職を得る必要がありました。
また、とかく会社と言うものは入ってみなければ
わからない部分もあるので、自分が考えている状況及び
自分がしたい仕事と仮に異なった場合でも、数年その会社に
勤めれば、中国で会社に勤めたと言う履歴は残せます。

そして、数年後再度転職を考えた際も、中国に
数年勤めたと言う経験と経理関連での実績があれば、
職を得やすいのではないかと言う考えも持っていましたので、
最低希望給与と経理関連業務という条件さえ合えば、
他に考えることはあまりありませんでした。

自らの名前で生きていかなければならない、自分の価値を
高めなければならないことを意識していたからか、
今年に入ってからの転職活動の際も、それ程苦労することなく
自ら希望する業務に就くことができました。

今は、自分のやりたい仕事ができて充実している毎日ですが、
これからも常に自分の力で生きていくという気概を忘れず、
自らの目標に向かって行動して行こうと思っています。

2005/12/13