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夢の上海(チャイひめ)

第23回 猛勉強する中国人

民族性なのか、人口が多いからなのかは分かりませんが、
中国人には頭のいい人が多いし、皆よく勉強をします。

私は学生のとき、上海の復旦大学で短期ですが留学をしていました。
復旦大学といえば、北京の北京大学と清華大学と並んで
中国の3本の指に入る、エリート大学です。
ちなみに、私の尊敬する中国人女性作家の衛慧も復旦大学卒。

日本語学科の学生と交流がありましたが、
4年生ともなると、ほぼ完璧な日本語を話していました。
彼らのほとんどは、大学に入って初めて日本語を学び始めた人たちです。

つまり4年間で、日本語をマスターしきっているわけです。
解放が進んできたとはいえ、まだ外国へ簡単に行き来することができない中国。
当然、日本へ行ったことなどありません。

私が留学したのは大学2年生の夏休みでした。
漢字で覚えただけの中国語、発音はからっきしダメで、私の中国語は全く通じませんでした。
それに比べて、日本語学科の2年生の日本語の流ちょうなことといったら・・・
私とはまるで比べものにならないレベルの高さでした。

まあ、私の場合は、大学の専攻が中国語ではないし、
一日中日本語ばかり勉強してる日本語学科の学生と比べても仕方ない、仕方ない!
などと安心していたのも束の間。

学習意欲の盛んな復旦の学生は、
日本語以外の専攻の学生が、単なる第二外国語でも意欲的に学習し、
理系の2、3年生でも、結構日本語が話せるのです!

おまけに私が驚いたのは、寮での話。
中国の大学は広大な敷地を持っていて、その中に学生や教職員の寮もあります。
学生は大学内の寮で、クラスメートと寝起きを共にし、勉強をします。
(たいてい部屋は4人部屋から8人部屋の相部屋!)

寮には消灯時間があるわけですが、
なんと復旦の学生の中には、消灯時間の後は机を廊下に出して、
夜中に廊下で勉強をする学生もいるというのです。

そこまで熱心に勉強する学生が日本にいるでしょうか?
私には、とても多いとは思えません。

中国人学生の向上心、向学心はとても強く、
実際に猛勉強をしますから、頭がいい!!

中国人は人口が多いので、大卒者でも社会に出てからの競争が激しい、とか
何とか奨学金をもらって、両親の金銭的負担を少しでも軽くしたい、とか
必死にならざるを得ない理由もあるようです。

しかし、勉強しているのは何も学生だけではなく、
ホワイトカラーの若者たちも、必死になって勉強をしています。
競争が激しいという理由もありますが、
高度経済成長期の中国、自分の人生をより豊かにするために
キャリアアップ指向が大変強いのです。

毎日、一生懸命会社で働いた後、
スクールへ通ったり、自宅で一生懸命勉強したりして
自分の語学力を磨いたり、様々な資格を取ったりすることに余念がありません。

会社での経験に加えて、そうした自分で磨いたスキルを武器に
華麗な転職をし、キャリアアップをしていく人達を
私は中国で多くみてきました。

その向上心には脱帽の思いですが、同時に私は危機感も感じています。

猛勉強する中国人の中にあって、
私一人、ぼーっと日々を過ごしていていいのだろうか。

郷に入っては郷に従え。

夜中まで勉強するのは無理かもしれませんが、
こんな考えもあって、少しでも自分を磨くため、私は英語の勉強を始めたのです。

飽き性の私ですが、英字新聞を読み、英語の映画やドラマを見ることは
ここまで約一ヶ月間、休むことなく続けることができました。

これからも頑張って勉強を続けていきたいと思います。


チャイひめALBUMより〜ハルビンの町並み〜

チャイひめALBUMより〜ハルビンの町並み〜

中国最北の省、黒竜江省の省都であるハルビン。ロシアとの国境に近いため、昔からロシアとの交流があり、この写真のようなロシア風の建物なども多くあります。

2006/08/22