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散歩しながら(ぼうちゃん)

第91回 いまやすっかり

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな

初心が消えかかるのを
暮らしのせいにはするな

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ


茨城のり子さんの詩の言葉ですが
そのとおり

すべてのことが自分の責任です。
人のせいには出来ないのです。

 

小学五年生のときに
死んだら消えてなくなるわけだから

二度とこの世のこと、
友達と遊ぶことも

美味い炊き立ての白いご飯も
食べられないのだと想像して恐ろしくなり
夜中に眠れなくなった記憶があります。

死について初めて
考えたことになりますが

しかしいつの間にかそんなことも考えなくなりました。
生き死にのことはともかく

四季の移り変わりにたいして
とても敏感で

風の音に雨の匂いに
感受性はいつも全開だったような気がする。


それが今は何たることか
枯野のように荒廃し弛んでしまった。

わが老体のみならず
気持ちの持ちようも同じに荒んでしまったようです。

感受性はすっかり鈍く
感動はなかなか表に現われてきません。

 

西の空に落ちてゆく
夕陽を見るのはまっぴらだ、

なぜなら私を捨てていった
男を思い出すからと、

センチメンタルブル-スは
かくして生れたってことですが

経験もない中学生が
こんな音楽で感動の涙を流すのだから
ちょっとうるさい。


ナイ-ブで傷つきやすく
死を恐れた少年が

いまや頭頂にはすっかり霜が降り
憮然とし不機嫌な顔で

何事にも
感動が薄くなっています。

わずかに心が動くとすれば
株の値下がりで青い顔をして
オロオロするくらいとは情けない。

 

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ


こう叱咤され
深く頭(こうべ)を垂れてます。

2011/11/10