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散歩しながら(ぼうちゃん)

第73回 黄昏のアメリカ


超大国アメリカが黄昏たようですね。

世界で最高の信用力を誇っていた
米国債の格付けが
史上初めて引き下げられたものだから
市場はパニック状態です。

おかげさまで持ち株も大きく下げてくれまして
幾ばくかの儲け分もきれいに消えましたが
まあそのまま知らん顔をしています。


今の米欧の首脳にたいして
指導者たちの耐えられない軽さ、
とイギリスの新聞は皮肉っているし、

米欧は日本人化するという記事で
西側諸国が軒並み日本と同じように
指導力不足の政治家ばかりと言っているそうです。


しかし日本のメディアは米国に遠慮し
あえて批判など絶対にしない、と言っています。

それに比べると立場が違うからでしょうが
中国の指摘は小気味よいようです。

米ドルの国際的な監視が必要と提案し
米国は身分相応の生活をせよと言い渡したり。

米国債への投資額が最も多い中国だから
最大の債権者としてドルの安全確保を要求する
当然の権利を主張しているわけですが

日本人から見ると羨ましいくらい
単刀直入に物言いをしています。

さらに巨額の軍事費と
社会保障費の削減を要求したりしますから
表面は実に小気味よく感じます。


ところが、アメリカの巨額の財政赤字を生んだ
根本原因には何処の国も触れていないようです。


イラクでの犯罪に米国は3兆ドルも使った。
これが今の債務危機の真の原因なのだ。


このように極論する人からすれば
無謀なイラク戦争の莫大な戦費がまず第一で、
次に強欲アメリカの資本主義が引き起こした
リーマン・ショックがそのあと財政赤字を膨張させたということです。


もはや世界経済の回復には
世界はどこも手詰まりで、
政治家に能力もない。

世界全体が日本化した、ということのようです。
ずいぶん日本の政治家も有名なものですね。


先日邱さんが

空前の円高でも日銀が対応できないわけ

というコラムを書いていました。

政府が先頭に立って円高にブレーキをかけるべきだと思うのに、
日本では「為替レートは自然に任せるべきだ」
と考える政治家が多いと見えて、
中国政府がアメリカの要求にガンとして応じないのとは逆に、
「自然の成り行き」に任せています。

ですから、アメリカの財政状態が悪化したり、
アメリカ経済の恢復が遅れ気味になったら、
それが円高を誘発して、日本経済が挙げて
その影響を受けることが避けられなくなります。

どうしてそういうことが起るかというと、
日本の政治家は二世、三世が多くなって
殿様の上に「若」ではなくて
「馬鹿」がついてもおかしくない人がふえて
経済に明るくないことが
原因しているのではないでしょうか。

お金をつくる人ではなくて、
お金をもらう人の集団になってしまったのです。

だそうです。

身内ですからねえ。
同じ日本人だもの、われわれの大将を
馬鹿殿とは言いたくありません。
何とかいい仕事をしてもらいたいものです。

2011/08/13